仮想通貨(暗号資産)ニュース

中国ブロックチェーンスマート都市構想、医療・司法・行政・交通で導入

バイドゥ独自技術「XuperChain」を活用

(Image: Shutterstock.com)

中国検索ポータル最大手のバイドゥ(百度)は11月8日、ブロックチェーンを活用した「スマートシティ」プロジェクトの進展について公表した。網易科技が伝えた。

バイドゥはBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)の一角を形成する中国IT3強の一社だが、最近はATに遅れを取っており、AI、自動運転など次世代技術の投資に力を入れている。その一環として、自主開発したブロックチェーン技術「XuperChain」と人工知能(AI)、ビッグデータを組み合わせ、都市が生み出す大量のデータを最大限に活用したAIスマートシティの建設を模索している。バイドゥによるとXuperChainはすでに医療、司法、行政事務、交通の4分野で試験導入が始まり、成果を出しているという。

具体的な導入状況は以下の通り。

スマート医療:遠隔診療を受け、近くの薬局で薬を受け取る

XuperChainは医療ビッグデータを通じ、医療オンラインサービスのデータ、診療、薬の処方の「3つの安全」を実現しようとしている。

バイドゥは中国内陸部の重慶市と、ブロックチェーンスマート医療プロジェクトを展開、オンライン処方ブロックチェーンプラットフォームをリリースした。

医者が作成したカルテや薬の処方、支払いまでの情報をプラットフォームで管理する。医者はオンラインで診察、処方箋を発行し、患者は近くの薬局で処方箋に基づいて薬を購入できる。

スマート司法:煩雑な訴訟手続きをブロックチェーンで簡素化

改ざん不可能、トレーサビリティ保障、というブロックチェーンの特性は、司法の証拠保全に非常に適している。

バイドゥは北京インターネット裁判所、広州インターネット裁判所、青島仲裁委員会などの司法機関と協業し、司法手続きの効率向上を実現した。

例えばあるカメラマンの作品の著作権侵害が、バイドゥのビッグデータ調査によって発見された。カメラマンはブロックチェーンの証拠保全システムを使って北京インターネット裁判所に提訴。証拠が認められ、一審で勝訴判決を得た。ブロックチェーン技術を使うことで、このカメラマンは訴訟コストを大きく下げられた。

スマート行政事務:情報共有で縦割りの弊害解消

バイドゥのブロックチェーン技術は、政府の「ワンストップで行政サービス」を支援する。XuperChainのデータシナジープラットフォームは、個人のプライバシーを保護しながら、各部署間のデータを安全に共有できる。各部署は具体的なデータを交換する必要がなくなり、事務効率が上昇する。

スマート交通:道路上のIoT機器から得られた情報で事故を迅速処理

XuperChainはスマートフォン、監視カメラなど路上にあるさまざまな設備の情報のシナジーを高め、目標に関する情報を正確に探し出す。各所に設けられたIoT機器から得られたデータをブロックチェーンに記録し、データの改ざんを防ぎながらリアルタイムで最新の情報に更新する。

例えば交通事故や交通違反でも、どの信号が点灯していたかなど道路状況を把握し、迅速な取り締まりや処理を実現する。