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Facebookの仮想通貨責任者、ビットコインが規制されないのは「通貨ではないから」

既存市場を脅かさない「デジタルゴールド」と認識

(Image: K.unshu / Shutterstock.com)

Facebookの仮想通貨プロジェクト「Libra(リブラ)」を統括するCalibra(カリブラ)のデビッド・マーカスCEOは11月6日、「Bitcoin(ビットコイン)は通貨ではない。デジタルゴールドだ」と述べ、その理由を説明した。ニューヨークで開催されたイベントでの発言を、CNBCが報じた。

マーカス氏は、「私はビットコインを通貨とは考えていません。値動きが激しすぎて、交換の媒体としては使えません。むしろビットコインをデジタルゴールドだと捉えています」と切り出した。

「ビットコインはゴールドと同じように、投資商品として保有できます。しかし価格の急激な上昇と下落は、海外送金システムを必要とする人々にとっては迷惑な機能です」

マーカスCEOが主導するリブラは、米ドルやユーロなど複数の法定通貨に裏付けられ、価値が大きく変動しない「ステーブルコイン」に分類される。Facebookはリブラを、銀行口座にアクセスできない新興国や発展途上国の人の新たな金融システムと位置づけ、Facebookのユーザー同士の送金や買い物に利用するビジョンを描いているが、既存の金融システムや国の通貨コントロール権を脅かす存在として、世界各国の規制当局の猛反発を受け、計画通りのローンチは困難な状況となっている。

欧米の議会や中央銀行担当者と対話を続けているマーカス氏は、ビットコインが多くの国で規制されていない理由を、「交換の媒体であると認識されておらず、既存の市場と分断されているため」だと述べた。

「人々がビットコインのような仮想通貨を使って何かを買わないのは、その価値が非常に不安定だからです」

ビットコインの価格は2017年12月に200万円を超えピークに達した後、1年間ずるずると下落。2018年12月には35万5000円付近まで値を下げた。2019年4月以降はリブラへの期待などで相場が反転。6月下旬には150万台に迫ったものの、7月17日に100万円割れ。その後、10月下旬に中国で好材料が相次ぎ、現在は100万円前後で推移している。