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米下院金融委、Facebookの解体も検討「仮想通貨リブラ以前の問題」

選挙と政治への干渉・独禁法・データ保護など6つの問題を指摘

米国下院金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ委員長=2018年6月30日撮影(Image: Karl_Sonnenberg / Shutterstock.com)

米国下院金融サービス委員会は10月23日、Facebookのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOを召喚した公聴会を経て、同社を解散すべきかどうかについての議論を開始したと発表した。下院金融委は、Facebookが抱えるさまざまな問題を検討した結果、仮想通貨リブラ(Libra)プロジェクト以前に同社の問題を解決する必要があると主張している。

下院金融委は、従業員の多様性やプラットフォームの政治的利用、独占禁止法、消費者保護など、主には6つの観点でFacebookに問題があると指摘している。このような企業の顧客が世界人口の3分の1を占めており、グローバルなデジタル通貨を計画することには深刻な懸念があることは明白だという。

  • 企業としての多様性と包括性に関する問題
    5年以上前からFacebookに対して従業員の多様性統計を提出するよう要請してきた。いまだに同社の幹部を含めた従業員のほとんどが白人男性で構成されている。統計開始からアフリカ系、ヒスパニック系の従業員は2%未満の増加率だ。
  • 公正住宅取引について
    広告主が広告プラットフォームを用いて差別に関与できるようにしたとして、Facebookは全米公正住宅同盟(National Fair Housing Alliance)に起訴された。米国住宅都市開発省も、独自の広告配信アルゴリズムが差別的な影響を与えるとして告訴している。同社は住宅都市開発省に対する関連データの提供を拒否し、公正住宅取引に関する調査に非協力的だ。
  • 競争と公平性について
    Facebookは47州の司法長官とコロンビア特別区による独占禁止法の調査対象になっている。
  • 消費者保護について
    Facebookはデータ保護の問題で連邦取引委員会に50億ドルの罰金を科された。
  • 選挙について
    Facebookは2016年の米国選挙におけるロシア政府の干渉を黙認した。米国内の選挙をコントロールしうる広告を容認している。現在も、ロシアとイランが広告戦略を用いて選挙に干渉していることを確認した。
  • 政治について
    Facebookは政治的な広告について事実確認を行わないことを発表した。政治家の誰もが嘘と誤解で票をコントロールし、結果としてFacebookは広告収入で潤うだろう。言論の自由を促進するという主張は、真実とはほど遠い。