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中国人民銀幹部、「ステーブルコインの世界流通は時期尚早」

Facebookのリブラなど民間発行ステーブルコインのリスクを指摘

(Image: Shutterstock.com)

中国の中央銀行通貨研究所の穆長春所長は11月10日、法律、監督管理、リスクコントロールなどの問題が解決するまではグローバルで使えるステーブルコインを発行すべきではないとの考えを示した。

穆氏は「世界の越境決済、とりわけ国際送金は『遅い』『手数料が高い』『経路が複雑』という問題が解消されていない。Bitcoin(ビットコイン)などの仮想通貨が広がっているのはこうした背景もある。一方で従来の仮想通貨は価格変動が大きく、その問題を解決するために出て来たのがステーブルコインだ」と説明。しかし、「ステーブルコインは公共政策や監督管理にとってさまざまな脅威をもたらす。それが世界で流通するなら、リスクはさらに大きくなる」とも述べた。

穆氏はFacebookが計画する仮想通貨「Libra(リブラ)」を念頭に、「民間組織がステーブルコインを発行するなら、国際法規および各国の法規を順守し、規制当局の非常に高い要求を満たし、ステーブルコインの取引に関わる個人・組織の権利と義務を明確にする必要がある」と指摘。発行体がどこであろうが、グローバルで流通するステーブルコインは時期尚早だとの考えを強調した。

中国の中央銀行である中国人民銀行は、デジタル通貨の開発が大詰めを迎えている。穆氏は「民間部門と共同部門で協力してデジタル通貨の運用体制を構築していく。民間の力を借りて公共商品をつくる」と述べた。