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中国の「時間銀行」にアリペイのブロックチェーン活用

ボランティア時間を「貯金」し将来の介護サービスに利用

(Image: Brookgardener / Shutterstock.com)

アリババの金融子会社アント・フィナンシャルが運営する決済アプリのアリペイ(支付宝)は11月20日、ボランティア活動などの時間を「銀行」に登録し、将来介護が必要になったときに引き出して介護サービスを受けられる新しい取り組み「時間銀行」に、ブロックチェーンを活用すると発表した。TechWeb、新浪財経などが伝えた。

高齢化が進む中国では、2018年時点で65歳以上の人口が1億6700万人と既に日本を上回っていると言われる。2035年には高齢化率は20%を超え、5人に1人は高齢者という超高齢化社会に突入する見通しだ。同時に中国では最近まで一人っ子政策が続けられ、介護を担う人材不足も深刻だ。

介護問題に対処するため、中国の「社区」(日本でいう町内会のような言葉)で、ボランティアなど「公益性のある活動」をするとそれに充てた時間を「銀行」に貯金(登録)し、将来介護が必要になったときに、銀行から時間を引き出して、介護ケアを受けられる「時間銀行」という新たな相互介護モデルが登場している。

「時間銀行」に貯蓄した時間は、自分だけでなく両親や友人の介護に使うことが可能で、現在はスマートフォンを通じて時間を登録する仕組みだが、引き出すまでの期間が長く、かつ人によって違うため、記録ミスや記録の紛失のリスクが指摘されている。

また、引っ越しなどに伴うデータ移転や合算をどうするかという問題も残っている。

アリペイは、公益性のある活動時間をブロックチェーンに登録し、紛失や改ざんを防ぐ仕組みを南京市の社区に全国で初めて導入した。

ブロックチェーン技術を使い、公益活動に充てた時間を“永久に”記録し、組織や地域をまたいでも共有できるようにする。今後、導入の範囲を広げていく考えだ。