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「サケの一生」ブロックチェーンに刻んで消費者へ

三菱のサーモン養殖子会社がIBMの食品トレーサビリティを導入

(Image: Shutterstock.com)

三菱商事の100%子会社であるノルウェーのサーモン養殖会社サーマック(Cermaq)は11月20日、IBMの食品トレーサビリティ技術「フードトラスト」(Food Trust)の導入を発表した。フランスのLabeyrie社と協力し、同国の消費者向けに履歴書付きのスモークサーモンの提供を開始しているという。

サーマックは、ノルウェー、チリ、カナダの3カ国で、年間約18万トンのサーモンを養殖する世界第3位のサーモン養殖・加工・販売会社。2014年に三菱商事が子会社化した。

サーマックの養殖サーモンは世界中に供給されているが、フードトラストの導入により、すべての養殖サーモンに履歴書を付けて提供することが可能になった。ブロックチェーン上には、サケが卵からかえった日時と場所、育った淡水施設と期間、海水施設への移動日時とその際の全長などの個体データが記録される。さらには、与えた餌の種類や使用した薬品などの情報も含まれる。

消費者はブロックチェーン上に記録されたサーモンのデータを、パッケージのQRコードから専用アプリを通じて閲覧することができる。そこには、前述のサケの個体データに加えて、食品としての加工や輸送の情報も追加され、卵から消費者が手に取るまで、いわばサケの一生とその後のすべての情報を見ることができるのだという。

(Image: Shutterstock.com)

フードトラストは、IBMと米Walmartとの取り組みから始まった食品トレーサビリティのシステムで、ブロックチェーン技術のHyperledger Fabricをベースに開発された。これまでに、コーヒー豆、ホタテ貝、ロメインレタスなどの食品トレーサビリティに活用されている。