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中国人民銀、ブロックチェーン技術の国家標準策定に着手

フィンテックの健全発展を後押し

(Image: TK Kurikawa / Shutterstock.com)

中国の中央銀行である中国人民銀行の藩一飛副総裁は11月20日、次世代技術の実用化に向け、人工知能(AI)、ブロックチェーン、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなど17技術の金融業界での標準づくりに着手したと明かした。新華社が報じた。

藩副総裁によると、金融業界に関する中国国家レベルの技術標準は65項目、業界標準は252項目ある。既にモバイル決済の端末技術や音声識別などには国家標準が設けられ、業界の健全な成長に寄与している。また、フィンテックでは20余りの業界団体が、独自に業界標準づくりに取り組んでいるという。

藩副総裁は、フィンテック産業の発展には高度な標準が必要な一方、現状は不足していると指摘。また、かなり以前に策定され、今の環境やニーズと合わない標準が弊害となる可能性も指摘した。

フィンテックの重要技術の標準策定ではデータの安全確保に重点を置き、デジタル金融を発展させる上で、より成長性が見込める分野を優先して進めていくという。

中国は2017年に仮想通貨取引やICOを全面禁止する一方、ブロックチェーン技術は「技術強国を目指す上でキーとなる次世代技術」と位置づけ、AIやビッグデータと並んで支援している。特に10月に、習近平国家主席が「ブロックチェーン技術で世界をリードする」と宣言したことで、先行していたAIやビッグデータ並みの投資が流れ込むと期待されている。