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イーサリアム2.0、フェーズ0のテストネット開発が大詰め

Prysmが本番仕様で安定稼働に成功。ノードの同期速度に課題残る

(Image: Shutterstock.com)

Ethereum 2.0の開発チームの1つであるPrysmatic Labsは1月14日、開発中のクライアント「Prysm」の公開テストネット「サファイア」(Sapphire)にて、メインネット準拠の仕様で安定稼働に入ったことを報告した。2020年前半にローンチと目されるEthereum 2.0の最初期バージョン「フェーズ0」の本番仕様に則したものとなる。

「サファイア」は、9日にバージョンアップを行い再起動した。ジェネシスブロックの生成後、後続ブロックの生成不可など、開発チームが「あらゆる種類のクレイジーな問題」と表現するほどのトラブルが発生したという。トラブルの要因は一部ノードの不具合だったとしており、修正プログラムの配布により、テストネットの稼働は安定した。発表時点で、約2万のバリデータノードによる4日間のネットワークの経過は順調だという。

ネットワークの稼働は安定した一方、ビーコンチェーンの性能は前述の種々のトラブルの延長上で想定の性能を発揮できていない。メインネット仕様では16384基のバリデータノードを扱うが、それらの同期が非常に遅いのだ。各ノードのCPU使用率が常時100%に張り付いているにもかかわらず、ブロックの同期は毎秒0.5から0.8ブロック程度しか進まないという。開発チームは最優先の改善課題としている。

「Prysm」のテストネットは現段階では単一クライアントのものとなる。今後、チームは前述の問題を解決し、メインネット仕様の安定版を作っていく。他の開発チームが開発中のクライアントのアップデートが進めば、相互運用性の最終チェックを行っていくこととなる。そして、マルチクライアントのテストネットが安定稼働に入れば、Ethereum 2.0 フェーズ0のメインネットリリースがようやく見えてくる。

メインネットリリースまでの道程を1つ1つ見ると、まだまだ時間がかかる印象だが、マルチクライアントに関しては、2019年内にも現行よりも古いバージョンで検証が行われ、成果が出ている。Ethereum 2.0のメインネットリリース第1弾は、目前とは言いがたいがそう遠くない時期になるだろう。具体的にいつ、というのは正式に決まっていないが昨今は2020年前半という見方が強い。