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IPA、ブロックチェーンの特性から理解する社会実装の将来展望を示す
時代は効率化・コスト削減から高付加価値創出へと変化
2020年2月27日 06:15
情報処理推進機構(IPA)は2月20日、「ブロックチェーンの特性から理解する社会実装の展望」と題した報告書を公開した。IPAは、ブロックチェーンの社会実装が、効率化・コスト削減効果を期待するものから、高付加価値創出の段階へと進行する将来的展望を示している。
IPAは、グローバルにおけるブロックチェーンの潮流として、金融はもとよりその他の産業においてもブロックチェーンはビジネス戦略上の重要な技術として選択され始めていると、デロイトトーマツがブロックチェーンに精通する世界12か国のシニア役員1386名を対象に実施した「デロイト グローバルブロックチェーンサーベイ2019」調査報告書をもとに分析する。
ブロックチェーンは、ビジネスにおいて「戦略プライオリティのトップ5に入る」と調査対象の半数が回答、8割が経営戦略上重大であるという認識を示した。
各国政府の取り組みにおいてもブロックチェーンは重要視されており、仮想通貨取引に対して厳しい規制を敷く米国や中国も、ブロックチェーン技術に関しては肯定的な姿勢で、金融以外の分野への導入を進めているという。
IPAは、ブロックチェーンの特徴として、中央管理者なしに信頼性の高い記録によって取引を成立させる点を強調する。特定の管理者が見張らずともブロックチェーン上の記録に対しては改ざんや二重取引ができない。安心して価値あるものの取引をブロックチェーン上に委ねることができていると解説する。分散型台帳やコンセンサスアルゴリズム、スマートコントラクト等、その仕組みにも言及し、報告する。
また、ブロックチェーンによるプロセスの効率化・コスト削減方法については、具体的にIBMとMaerskが共同開発した国際貿易におけるブロックチェーンプラットフォーム「TradeLens」を事例に、そのプロセスや取り組みについて紹介する。ブロックチェーンの社会実装が、プライベートチェーンを用いた企業間取引や限られたコンソーシアム内で効率化・コスト削減の効果をもたらすという例を挙げる。
最後にIPAの報告書は、ブロックチェーンの普及は段階を経て、こうした社会実装に繋がっていくと考えられるとした。Bitcoinなどの仮想通貨の取引に始まったブロックチェーンは、inB(企業内)、B to B(企業間)において効率化・コスト削減などの成果による普及の段階を経て、その先の高付加価値のブロックチェーンが普及する段階を迎えるだろうと結論付けた。
#ブロックチェーンに関する調査レポート「ブロックチェーンの特性から理解する社会実装の展望」を公開しました。ブロックチェーン社会実装が、効率化・コスト削減効果を期待するものから、データ中心の高付加価値創出の段階へ進んでいく展望について解説しています。https://t.co/ReN8dXe8eK
— IPA(情報処理推進機構) (@IPAjp)February 21, 2020