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新型コロナウイルス対策でテレワーク増加。ガートナーがまとめる5つの課題

全社一律の慎重なアプローチではなく可能な部署から速やかに

(Image: Shutterstock.com)

新型コロナウイルスの感染防止策として、テレワークを実施する企業が増えてきた。ガートナー ジャパンによると、2017年11月時点で従業員2000人以上の企業を対象に行った調査では、テレワークのインフラと制度を整備済みの企業は8割を超えていた。ある程度の下地が整っているため、緊急対策の一環としてテレワーク体制への移行がスムーズに行えているのだという。

ガートナーは3月13日、テレワークの本格化に向けて注意すべきポイントを発表した。ガートナーのアナリスト志賀嘉津士氏は、「テレワークは単にアプリケーションを導入して使うだけでは不十分」だとし、「ビジネス文化や習慣、マネジメント層の意識改革」が必要となることを説明した。

テレワークへの移行に際して、まず必要となるのは移行難易度を知ること。自社の準備状況に応じてテレワークの適用対象者を設定することが肝要だという。その指標として、ガートナーはテレワークの実施段階を6段階に分ける。

テレワークにおける実施段階(出典: ガートナー、2020年3月)

この中で、多くの企業が実施しているのはレベル1「従業員全般における個人作業の持ち帰り」までだという。志賀氏によると、全部門一律で対応するのではなく、部署ごとに個別で実施するなど、現在は堅実な対応よりも可能なところから速やかに着手が必要な段階とされている。

テレワークの5つの課題

ガートナーはテレワークへの取り組みがうまくいかなった要因として、5つの課題をまとめた。


    【テレワークの5つの課題】
  1. 資料が自宅から閲覧できない
  2. ビデオ会議の品質が安定しない
  3. コラボレーション・ツールの使い方が分からない
  4. 勤務時間を正確に把握できない
  5. 現場の従業員がシャドーITの利用を拡大してしまう

5つ目のシャドーITとは、従業員が個人的に利用しているLINEなどのチャット型ツールを業務に利用することなどを指すという。急場しのぎとして利用することも考えられるが、セキュリティ上の懸念があることは明白だ。シャドーITがやみくもに広がらないよう、IT部門は業務用のコラボレーション・ツールの情報をおさえ、導入可否などの検討を積極的に行うことが推奨される。