仮想通貨(暗号資産)ニュース
SBI、分散型台帳技術で決済用コインが発行できる「Sコインプラットフォーム」事例紹介
独自決済用コインでキャッスレス決済、スマホ上で決済・送金・チャージが可能
2018年10月3日 07:30
SBIホールディングス株式会社は、同社の代表取締役社長・北尾吉孝氏が「FIN/SUM 2018 & REG/SUM」にて登壇した講演「グループ内外企業との新たな価値の共創を目指して〜2つの新生態系の形成〜」についての資料を公開している。本稿では、独自決済用コインが発行できるプラットフォーム「Sコインプラットフォーム」について資料より抜粋して紹介する。
SBIグループの「Sコインプラットフォーム」とは、ブロックチェーン/分散型台帳技術を用いて独自決済用コインが発行できるプラットフォームだ。すでにSBIホールディングスが「Sコインプラットフォーム」を通して発行する決済用コイン「Sコイン」を使っての実証実験の開始を発表している。10月よりSBIグループ社員を対象に、SBIホールディングスが入居するオフィスビル内の店舗においてキャッシュレス決済の実証実験を行うとしている。今回の資料では、より詳しく「Sコインプラットフォーム」について解説をしている。
「Sコインプラットフォーム」は、仮想通貨を含むさまざまな決済用コインを簡単に発行することができる。複数の企業の仕組みを同一プラットフォームで展開が可能で、決済端末や加盟店網の相互利用・相互送客が可能になるという。「Sコインプラットフォーム」事業に参入する事業体が増え相互乗り入れが増えることで、各参加事業体は全国の決済網を少ない労力で獲得することができるのも特徴の1つだ。
また、「Sコインプラットフォーム」の活用例についてもいくつか紹介している。
ここではSBIホールディングスの事例として、新たな決済インフラ活用の研究の一環として、4月より「Sコインプラットフォーム」を用いた地域通貨「UC台場コイン」(仮称)の実証実験について報告している。事例では、UCカードがコインの発行かつ決済業務を、SBIホールディングスがコインの発行・管理するシステムの運営を、株式会社Orbがシステムのベースとなる分散型台帳技術Orb DLTの提供および周辺機能の開発を担っている。実験では、スマートフォン上で決済・送金・チャージができるプリペイド型の地域通貨を発行する。UCカード社員を対象として、お台場のUCカードオフィス内や近隣施設の飲食店等において、「顔認証」または「スタンプ認証」にてキャッシュレスで決済できる仕組みを設け、実証実験を行っている。
活用例の2例目として、前述の「Sコイン」についても資料にて解説をする。10月より開始するSBIホールディングスが発行する「Sコイン」の商用化の前段階として、SBI社員と周辺店舗を対象とした実証実験の実施について報告。分散型台帳技術を活用した決済インフラによって、決済にかかるコストの大幅な低減を目指すという。今回は、泉ガーデンタワーの店舗とオフィスファミマに導入予定と、より具体的な報告が資料から見て取れる。また、今回は「Sコインプラットフォーム」によるクレジットカードのチャージ手段に加えて、セルフ端末で多数の製品を展開しているグローリー株式会社の自動機を設置し、現金による「Sコイン」チャージの仕組みを構築する。実店舗では「スタンプ認証」によるキャッシュレス決済を行うほか、現金と各種電子通貨の交換を行うなど、利用者のさまざまなニーズを満たすことができるかまで検証していくという。