仮想通貨(暗号資産)ニュース
国税庁が「仮想通貨関係FAQ」を公表し納税者自身による適正な納税義務の履行を補佐
仮想通貨取引による所得計算が簡便に作成できるExcel対応「仮想通貨の計算書」も公開
2018年11月22日 13:51
近年、仮想通貨など新たな経済取引やシェアリングエコノミーほか多様化する経済の普及に伴い、これからの納税環境整備のあり方について関係省庁は積極的に議論を行っている。国税庁では、今年4月以降、6回にわたり「仮想通貨取引等に係る申告等の環境整備に関する研究会」を開催し、仮想通貨取引に関する所得について、納税者自身による適正な納税義務の履行をバックアップするために環境整備を図ることを目的とした議論を重ねてきた。今回、本研究会での議論の結果を踏まえ、また、研究会以外で国税当局に問合せ等のあった事項をまとめた「仮想通貨関係FAQ」を公表した。
「仮想通貨関係FAQ」には、仮想通貨を購入した場合や売却した場合など基本的な事例の解説から、仮想通貨をマイニングにより取得した場合や仮想通貨の分裂(ハードフォーク)により新たに仮想通貨を取得した場合など、考え得る事案を多数網羅し、取引に係る税について具体的な解説を行っている。
また、本研究会では、金融庁や仮想通貨関連団体の協力も仰ぎ、各仮想通貨交換業者の実態等を確認の上、正確な所得計算のための年間取引報告書などを交換業者から顧客へ提供できるようにするなどの申告利便向上策について検討してきた。「仮想通貨関係FAQ」では、議論の結果の他にも、簡便に所得計算をすることができる様式や方法、相続時における仮想通貨の評価方法についても記載している。
併せて、納税者が年間取引報告書の内容等に基づき入力することにより、申告に必要な所得金額等が自動計算される「仮想通貨の計算書」を国税庁ホームページで公開する。これらの施策について、各仮想通貨関連団体を通じて各交換業者や利用者へ周知するなど、仮想通貨取引の適正な申告に向けて取り組んでいくことも表明している。
今後も国税庁では、納税者自身による適正な納税義務の履行を後押しする環境整備を図り、周知徹底を行っていく。また、申告のなかった人も含め、課税上問題があると認められる場合には是正を促すなど、仮想通貨取引の適正な申告に向けて積極的に取り組んでいくという。