仮想通貨(暗号資産)ニュース
富山第一銀行とインテック、独自の円ペッグ仮想通貨「First Bank Coin」の銀行内実証実験を開始
ブロックチェーン応用通貨の使い勝手や利用状況を分析し、地域通貨やシェアリングエコノミーでの活用を検討
2018年11月29日 06:00
株式会社富山第一銀行とTISインテックグループの株式会社インテックは11月28日、ブロックチェーン技術を応用した銀行内デジタル通貨の実証実験を同日より共同で開始したと発表した。通貨名は「First Bank Coin」(FBC)だ。同銀行員が振り込んだ日本円と同数のデジタル通貨「FBC」が発行され、送金や決済、残高照会を行えるとのこと。実質的には日本円連動ステーブルコイン(円ペッグ仮想通貨)となる。
デジタル通貨「First Bank Coin」(FBC)の実証実験は、一般社団法人全国銀行協会が設置した「ブロックチェーン連携プラットフォーム」を使用し、富山第一銀行の本店内で実施される。本店内にデジタル通貨「First Bank Coin」(FBC)専用の口座が設けられ、同銀行の従業員が振り込んだ日本円と同数のデジタル通貨(1円=1FBC)が発行される。同銀行の従業員がスマートフォンアプリ「First-B Pay」を使用することで、本店内売店での商品購入、個人間送金、残高の照会を行える。
今回は、ブロックチェーンの正確性やキャッシュレス決済の有効性、システムの処理性能や拡張性、障害時の回復性などが検証対象となる。システムを開発するインテック社は、使い勝手や利用状況を分析し、地域通貨で想定される課題抽出のほか、IoTやAIと組み合わせたシェアリングエコノミーでの活用を検討するとのこと。
なお、銀行が実証実験中のデジタル通貨としては、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループがブロックチェーン技術を活用して開発する独自デジタル通貨「MUFGコイン」(MC)があり、1MC=1円での価値が想定されていることから、「First Bank Coin」と同様に日本円連動ステーブルコイン(円ペッグ仮想通貨)といったように紹介されることが多い。MUFGコインは、CEATEC JAPAN 2018に出展された際の案内ボードには「coin」という別称が掲示されていたが、通貨の識別コード(ティッカーシンボル)は「MC」のままであり、呼称としては現在も「MUFGコイン」(MC)が使われている。