ニュース

仮想通貨の価格変動率がマイニング事業参入の判断に影響を与える

BUIDL社が研究論文を公開

(Image: Shutterstock.com)

 株式会社BUIDLは4月9日、マイニングASIC機材投資とコールオプションの無裁定原理についての研究成果を、ワーキングペーパーとして公開した。同研究は、仮想通貨のマイニング専用機器であるASICを用いたマイニング事業について、特定条件下でASIC機材の理論的な適正価格が、デリバティブ取引の一種である「コールオプション」のオプション費用と一致することを示す。

 ASIC機材の理論的な適正価格を元に、マイニング事業のインセンティブが、仮想通貨の価格変動率(ボラティリティ)に影響を受けることを証明している。同時に、ASIC機材の現在価値が、仮想通貨の価格の長期的なトレンドに影響を受けないことを示した。また、マイナーの収益が仮想通貨のボラティリティに応じて増加することから、マイナーが「仮想通貨価格を安定させるような政策に賛同しない」可能性を指摘した。

 「マイニング ASIC 機材投資とコールオプションの無裁定原理について」(原題:Pricing of Mining ASIC and Its Implication to the High Volatility of Cryptocurrency Prices)は、BUIDLの橋本欣典氏とスタンフォード大学経済学部の野田俊也氏による共同研究である。4月9日にBUIDLのワーキングペーパーとして公開され、4月10日付けで改訂している。

 今回の分析結果に対して、橋本氏らは、ブロックチェーンにおいてセキュリティの維持や運営方針に対して重要な役割を持つマイナーたちが、仮想通貨のボラティリティが高い状態を好むのは興味深い性質であると評した。なお、実際のマイナーのインセンティブ構造はさらに複雑である。そのため、より多様な条件での分析が必要であることを記している。

 論文は英語版および日本語版が公開されている。証明過程や計算方法など、詳細はBUIDL公式サイトで公開中の原文をご確認いただきたい。

 BUIDLは、グローバル・ブレインとOmiseの共同創業者である長谷川潤氏が2018年12月に設立した。ブロックチェーンの社会浸透を目指し、国内企業向けのコンサルティングや、ブロックチェーン技術の研究・開発に取り組む。

お詫びと訂正: 記事初出時、「BUIDL」を「Omise出資のBUIDL」と記述する誤りがございました。お詫びして訂正させていただきます。