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仮想通貨リブラの中国コミュニティ、Facebook子会社のプライバシー保護に疑念

ポルカドットとLibraを連携・独自ウォレット開発へ。Web3財団が支援

リブラテストネット用のブロックチェーンエクスプローラをリリースしたLibra China(Libra Chinaより引用、以下同)

Web3 Foundation(Web3財団)は、財団が展開するPolkadot(ポルカドット)プロジェクトの関連企画への助成金プログラム第3弾の出資先を発表した。Facebookの仮想通貨Libra(リブラ)とポルカドットを接続するプロジェクトpLibraを支援することを明かした。

pLibraを開発するLibra ChinaはFacebookの子会社が開発するウォレットCalibra(カリブラ)のプライバシー保護に懸念を示す。ポルカドットを活用し、プライバシー保護を重視した独自のリブラ用ウォレットをリリースすることも計画している。

pLibraはLibra Chinaが開発する。この組織は中国の開発者らによるリブラエコシステムへの貢献を目的としたオンラインコミュニティで、2019年6月に発足した。pLibraのほか、独自ウォレットやリブラ用のブロックチェーンエクスプローラの開発を計画。すでにLibraVistaLibraBlockという2種類のリブラテストネット用ブロックチェーンエクスプローラをリリースしている。

リブラテストネット用ブロックチェーンエクスプローラLibraBlock。リアルタイムにトランザクションの状況を確認できる
LibraVistaはブロックチェーンエクスプローラに加えてウォレット機能も利用可能

ポルカドットはWeb3財団の主要プロジェクトで、異なるブロックチェーン間の接続を実現する技術だ。チェーン間の合意形成とトランザクションの送信を調整するリレーチェーン、そこに接続しトランザクションの収集と処理を担う構成ブロックチェーンであるパラチェーンを持つ。さらに外部ブロックチェーンの規格に対応したブリッジが連携することで、異なるブロックチェーン間での価値の移転が実現する。

pLibraプロジェクトは、リブラとポルカドットを接続するためにパラチェーンとブリッジの開発を行う。これにより、ポルカドットとリブラのエコシステムの双方を連携し拡大する。加えて、リブラの資産を管理するためにポルカドットのチェーンを活用したウォレットを利用できる。

pLibraのポルカドットとリブラの連携イメージ図

Libra ChinaはFacebook子会社カリブラが開発するリブラ用ウォレットにはプライバシー保護の懸念があるとしている。カリブラはユーザーの資金移動などの履歴をすべて保存するため、カリブラ社が機密を守るとしても、ユーザーの個人情報が安全に保たれるとは限らないという。そこでLibra Chinaは、pLibraプロジェクトの一環としてポルカドットのプライバシー保護トークンを活用し、ユーザーのプライバシー保護を実現した独自ウォレットを開発する。

pLibraプロジェクトは2019年7月にホワイトペーパーを公開。ロードマップによると、同年10月までに実装を終える計画だ。リブラ自体のリリース時期が現時点では不明瞭だが、pLibraは2020年第1四半期を仮のリリース予定時期としている。ポルカドットとの完全な連携は2020年前半となる予定だ。