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中国人民銀前総裁、「Facebookの仮想通貨リブラには2つの進化がある」

既存システムに与えるリスク「洗い出し必要」

(Image: Keitma / Shutterstock.com)

中国人民銀行(中央銀行)前総裁で中国金融学会会長の周小川氏は7月9日、「中国外為管理改革発展フォーラム」で、Facebookの仮想通貨「Libra(リブラ)」について「将来的に登場するグローバル通貨の代表となることが視野にあるのだろう。転ばぬ先の杖として、今のうちに政策を研究し、潜在リスクを洗い出すことが、我々に利益をもたらす」と述べた。北京商報など複数のメディアが報じた(参考記事)。

周前総裁は、リブラがこれまでのデジタル通貨に比べ、2つの大きな進歩が見られると指摘。

「まず、従来の暗号通貨から教訓を得て、価格の大幅な変動と投機的な要素を抑えた。次に、国際貿易や送金の不満に焦点を当て、解決策を提案した」と述べ、「小さな国際組織や発展途上国での国際送金、あるいは移民労働者の国際送金は、現状は確かに手数料が高い」と語った。

リブラが成功するかについて、周前総裁はまだ明言する段階にないとしながらも、リブラが既存の業務や決済システム、制度にとって大きな影響を与える可能性を指摘した。

グローバル通貨を目指す動きは、リブラ以外にもあり、周前総裁は「中国や人民元に対する圧力も考慮する必要がある」とした。

2003年から2018年にわたって中国人民銀行の総裁を務め、中央銀行が発行するデジタル通貨の研究にも前向きだった周前総裁の発言は、中国で大きく注目されている。

また、7月に入り、中国の規制当局幹部もリブラについて発言を活発化させている。

中国人民銀行の支付(決済)司の穆長春副司長は、「リブラのようなステーブルコインは、中央銀行の監督下に置くべき」との文章|を発表(参考記事)。

同銀の王信研究局局長は、「リブラは一定の問題を解決するだろうが、各国の通貨政策に大きな影響をもたらすだろう。中央銀行が発行するデジタル通貨の可能性を探っていきたい」と述べた(参考記事)。