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ヴィタリック氏「イーサリアムとリブラの安全性に大きな差異はない」

アップデートでのスケーラビリティ改善に自信=80000 Hoursの3時間対談

(Image: Shutterstock.com)

ロンドンに拠点を置く80000 Hoursは9月3日、Ethereum(イーサリアム)の考案者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏との対談の様子をポッドキャスト上で配信した。ブテリン氏は3時間に渡る対談の中で、2020年以降にリリース予定のイーサリアム2.0が、最終的にスケーラビリティの課題を解決することに自信を示した。また、Facebookの仮想通貨Libra(リブラ)にも言及した。

「私はブロックチェーン技術の可能性を信じています。しかし、現存するブロックチェーンのほとんどは冗談のようなものだと考えています。1秒あたり15件しかトランザクションできない。そんな基盤上で世界経済を行うことはできません。グローバルエコノミーを実現するには秒間数万トランザクションの性能が必要です。シャーディングを実装したイーサリアム2.0は、スケーラビリティのボトルネックを解決するでしょう。非常に自信があります」(ブテリン氏)

イーサリアム2.0は、シャーディングやビーコンチェーン、キャスパーといった新たな仕組みの導入により、スケーラビリティの大幅な改善を目指す。2020年初頭に、第1段階となるフェーズ0をリリース予定であり、オープンソースで開発が進められている。すでにフェーズ0の仕様は確定済みだ。

対談の中でブテリン氏は、リブラについてのコメントを求められた。ブテリン氏は「興味深いプロジェクト」と評価し、リブラについて詳細に分析していることを述べ、以下のように回答した。

「技術的な観点からは、リブラとイーサリアムの安全性に大きな差はないと思います。ただ、リブラはプライバシーの問題を批判されています。これは、Facebookに対する政治的攻撃にも見えます。Facebookの意図は、リブラは同社が支配的に運用するものではないと示すことでしょうが、世間はリブラを(Facebook・CEOの)ザッカーバーグコインだと認識しています。今後は、政治と規制の問題をどう切り抜けるかでしょう」(ブテリン氏)

続けて、「逆に愚かだと感じるブロックチェーン・プロジェクトはあるか」と尋ねられたブテリン氏は、「基本的に、ブロックチェーンを資金稼ぎの手段として考えているプロジェクトは良くない。例えば、Tで始まりRONで終わるプロジェクト」と答えた。

80000 Hoursによるインタビューの全文は、ポッドキャストで配信されるほか、同社の公式サイト上でも配信中だ。また、インタビューの全文も公開されている。