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CoinGecko、アジアの仮想通貨市場を分析。過去5年でアジアの企業が世界を支配

ビットコインの採掘は80%がアジアのマイニングプール

(Image: Shutterstock.com)

仮想通貨のグローバルランキングサイト「CoinGecko」は、アジアの仮想通貨市場について、過去5年間の市場の変化を分析したレポートを公開した。5年間でアジアが仮想通貨マイニングを支配するまでに発展したことや、新たな仮想通貨交換所の立ち上げに関しては、世界全体の40%をアジアが占めることを明らかにした。

レポートは、CoinGeckoの共同設立者ボビー・オン(Bobby Ong)氏が、9月にシンガポールで開催されたカンファレンス「Invest:Asia 2019」にて基調講演を行うためにまとめたもの。過去5年間で、仮想通貨市場は欧米諸国からアジアへシフトしていったことが浮き彫りになり、驚愕したという。

Bitcoinマイニングを支配するアジア

2014年6月のBitcoinハッシュレート分布

図は、2014年6月のBitcoin(ビットコイン)のハッシュレートの分布を表したものだが、当時はマイニングプール上位10のうち、アジアは唯一Discus Fish(現:F2Pool)がランクインしているのみだったという。

それが5年後は、下記のような状況になった。

2019年8月2日のBitcoinハッシュレート分布

現在は、マイニングプール上位10のうち、8つがアジア(中国)で、2つだけが非アジアのSlushpool(チェコ共和国)とBitfury(ジョージア)だという。中国のマイニングプールがBitcoinの総ハッシュレートの80%を有し、ネットワークを制御している状況だという。

Ethereum(イーサリアム)マイニングでも同様で、3年前の2016年5月は、アジアの大きなマイニングプールはF2PoolとMiningpoolhubのみだったが、現在は、上位10のうち6つがアジアのもの。5つは中国出身で、1つは韓国出身だという。

仮想通貨マイニングは、アジアに支配されているとオン氏は表現している。

新しい仮想通貨交換所はアジアから

CoinGeckoに新規追加された仮想通貨交換所

世界中の仮想通貨交換所の取引状況を集計するCoinGeckoは、集計先として過去1年半に追加された新たな仮想通貨交換所の数が706%増となり、318の交換所に達したという。

それらの新しい仮想通貨交換所の登録国は、40%がアジアからのものであるという。2位のヨーロッパ23.3%を大きく上回っている。

ICO・IEOはシンガポールが世界をリード

2018年のICO・IEOマーケット

新しい資金調達方法として話題となった新規仮想通貨を販売し資金調達をするICO(イニシャル・コイン・ オファリング)および新規仮想通貨の販売を仮想通貨交換所に委託するIEO(イニシャル・ エクスチェンジ・オファリング)は、シンガポールがグローバルリーダーだという。

2018年には、228のICOがシンガポールで実施され、合計16億米ドルが調達された。その後、ICOは詐欺等が横行し廃れるも、2019年にはIEOが資金調達の中心となり、2019年上半期もまたシンガポールがトップとなった。これまでに72のIEOが実施され、1億3000万米ドルの資金調達に成功している。IEOは、Gate.io、Bitforex、Binance、Kucoin、Huobiなどアジアを拠点とする仮想通貨交換所が最も活発だったという。

最後に

レポートは、過去5年の流れから、現在、重心がアジアにシフトしていることを説明し、今後もアジアへの拠点の設置がビジネスにおいて有利に働くと結論づけた。アジアの多くの企業が課題に立ち向かい、進歩と革新を推し進めていることが明らかになったという。