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Facebookの仮想通貨リブラに対して各国機関はどんな反対意見?

CoinGeckoによる2019年第2四半期レポートより

仮想通貨のグローバルランキングサイト「CoinGecko」は、仮想通貨に関する2019年第2四半期レポート(4月から6月の期間)を公開した。5000種を超える仮想通貨の価格・評価・ランキングをマーケット情報として発信するCoinGeckoによるレポートでは、市場概況に加え、Facebookの仮想通貨Libra(リブラ)、IEO(Initial Exchange Offering)に関するデータ分析など、仮想通貨における重要なテーマについてまとめている。本稿ではLibraに関する内容に絞って紹介する。

Libraに対しては賛否両論どちらの意見も多く寄せられるなど、業界に波紋を呼んでいる。

Libraに対する各国機関の意見

全体的に否定的な政府の反応

CoinGeckoのレポートでは、Libraに対する各国機関の否定的な報道をまとめている。

米国では下院代表がLibraの開発停止を求める要請書を提出した。

中国人民銀行総裁は「もしLibraが広くペイメントとして使われたら、金融政策や金融の安定性、国際金融システムに大きな影響を及ぼす可能性があるのではないだろうか?」と発言。

欧州中央銀行は「規制の穴をついた金融サービスの提供を許すのは論外だ。危険すぎる」、日本銀行は「Libraはコンプライアンスを遵守するために高いコストを払う金融の仕組みにタダ乗りすることになる」と意見した。

その他にもフランス、ロシア、ドイツ、イギリス、インドの意見が紹介されているが、いずれも仮想通貨Libraに対しては否定的だ。

Libraに対する意見は多数あることから、レポートで取り上げられていないものもある。いくつかピックアップして以下に紹介する。

たとえば、トランプ大統領は「Libraという仮想通貨は安定性や信頼性はほとんどない」と否定し、「他の銀行と同様に全ての銀行業務のルールに従う必要がある」などと連続でツイート。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は「リスクを極めて慎重に審査する必要がある」と指摘する。

主要7カ国(G7)の財務相・中銀総裁会議では議長国のフランスが「最高水準の規制が必要」との総括を公表している。G7各国からは「国家の通貨主権や金融政策に影響を与え、マネーロンダリングやデータ保護にも懸念がある」との指摘が相次いだ。

仮想通貨Libraとは? 改めておさらい

Libraとは?

6月18日に発表された仮想通貨Libraは2020年にリリース予定で、Facebookを主体とする名だたる企業が参加するLibra協会によって運用される。

Facebookいわく、Libraは「シンプルな国際通貨で、数十億人の人たちをエンパワーする金融インフラ」だという。スイスの非営利団体Libra協会によりLibraは管理されるため、Facebookがすべてを保有するものではないものとしている。

Libra協会に参画する企業については、Libra発表時のホワイトペーパーで明らかにされている。CoinGeckoは、協会メンバーにFacebook以外の巨大テック企業(Google、Amazon、Apple、Microsoft)や銀行などの金融機関、政府機関など、主要グループが見当たらないと報告する。

Libraホワイトペーパーのキーポイント

「Libra」の名の由来は、測量やバランスを意味する古代ラテン語が語源だという。古代ローマの貨幣が起源で、コインの鋳造の重さの単位を表す。そこから発想を得たそうだ。

LibraはLibraブロックチェーン上の仮想通貨で、コンセンサスアルゴリズムにはLibra BFTを採用する。Libra協会の参加企業がノード運用を担うバリデーターノードによる、コンソーシアム型の合意形成アルゴリズムだという。許可型からスタートし、将来は許可なし(Permissionless)型に移行予定とのこと。独自のMoveプログラミング言語を持ち、スマートコントラクトに対応する。

Libra協会は、創設メンバーにより構成される非営利団体で、参加には10億円以上の資産が必要となる。参加費はLibraがステーブルコインとして機能するための裏付け資産となるLibraリザーブに追加される。参加者には1000万ドルの投資に対して1票、最大で1%までの投票権が付与されるとのこと。Facebookは2019年の間は重要なリーダーシップの役割を果たすそうだ。

Libraリザーブは、価格変動の低いアセットにより構成され、初期のファンディングについては、創設メンバーから徴収されるとのこと。メンバーには、Libra Investment Tokensを通してインセンティブが付与される。また、Libraリザーブは、カストディアンのネットワークにより地理的に分散されるという。

仮想通貨Libraについては、Libraリザーブによって支えられたステーブルコインだという。Facebookの子会社Calibraが提供するウォレット「Calibra」などを通してやり取りをする。トランザクションは半匿名。Facebookのデータについては同意なしで使用されないことを約束する。アカウントは個人IDとは結びつかない。ただし、アカウント開設には写真付きのIDが必要となる。Libraには利子はつかないという。

Libra Investment Tokensは、Libraリザーブから発生した利子への権利を保有者に付与するもの。適格投資家とLibra協会メンバーのみがアクセスが可能だという。配当は、Libraリザーブの利子とLibra協会の投票により発生する。また、Libra Investment Tokensの所有は投票権の役割も果たすそうだ。