仮想通貨(暗号資産)ニュース

世界中の中銀、8割が中央銀行デジタル通貨に取り組む可能性大

複数の新興国が数年以内にCBDC発行計画

(Image: Shutterstock.com)

「中央銀行の中央銀行」と呼ばれる国際決済銀行(BIS)は、各国の中銀が中央銀行デジタル通貨(CBDC)にどう取り組んでいるかをまとめた。レポートは、世界の人口の5分の1に相当する複数国の中央銀行が、数年以内にCBDCを発行する可能性が高いと指摘している。

調査に回答したのは先進国21か国と新興国45か国の計66か国の中央銀行で、世界の人口の75%と、GDPの90%に相当する。

CBDCについて、「何らかの取り組みをしているか(近く始める、を含む)」の問いには、80%が「している」と回答。また、40%が概念の調査から実証実験に移行しており、パイロットプロジェクトまで進展している中央銀行も10%あった。パイロットプロジェクトを行っているのは全て新興国の中央銀行で、今後数年内にこれら新興国からCBDCが実際に発行されそうだ。

CBDCに取り組む動機は、先進国と新興国に違いが見られた。新興国は「国内の決済効率の向上」「決済の安全性」「フィナンシャルインクルージョン(金融包摂)」の3点をいずれも「非常に重要」と捉えているが、先進国が重視しているのは「決済の安全性」の1点だった。

また、現在の現金流通に対する課題は、国によってさまざまだった。現金への高い依存度を減らし、コストを削減し、かつテロ対策を進めたいと考える国がある一方、現金の使用が減少していることから、CBDCに移行したいという国もあった。

BISの調査に回答した国と地域(リリースより引用)