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東カリブ中央銀行、ブロックチェーンを活用した世界初の中央銀行デジタル通貨発行に合意

2021年の実用化に向け3月より導入計画を始動

(Image: EQRoy / Shutterstock.com)

 東カリブ中央銀行(ECCB)は現地時間3月6日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入を発表した。ブロックチェーン活用のCBDCとしては世界初。2021年の実用化に向けて3月より開発と実証実験を進めるとのこと。発行予定のCBDCはDXCDと呼ぶ。東カリブ諸国機構(ECCU)の9か国および地域で利用される東カリブ・ドル(ECドル)の電子版となる。

 東カリブ中央銀行は去る2月21日、バルバドスのフィンテック企業Bitt Inc.と共にCBDCの発行に関する合意を結んだ。同行はカリブ海東部に位置するセントキッツ・ネイビス連邦、グレナダなど、9つの国および地域からなる東カリブ諸国機構における中央銀行である。発行する法定通貨の東カリブ・ドルは米ドルにペッグする。

東カリブ中央銀行とBitt Inc.がCBDCの発行に合意(プレスリリースより引用)

 DXCDは東カリブ諸国機構が認可する金融機関および銀行以外の金融機関が配布、使用する。個人間取引や小売店での買い物を、スマートデバイスを利用して決済することが可能になる。ECCUの域内であれば、海を跨いだ送金でも手数料なしで数秒の内に完了するという。

 ECCBは3月より、CBDC導入計画の第1段階をスタートする。1年間を開発と検証に割り当てるとのこと。その後、ECCU域内の数か国で6か月間の実証実験を予定している。順調に進めば2020年から2021年頃までに実用化が叶うだろう。

 ECCB総裁のTimothy NJ Antoine氏は発表内で「これは学術的な試験運用などではありません。中央銀行が発行するブロックチェーンを活用した世界初のデジタル法定通貨として、その実用化にいたるまでを公開テストとして実施します。」と述べ、導入への意欲を示す。CBDCの導入は、同行における2021年までの事業計画の一翼であり、ECCU域内の現金使用量半減と金融部門の安定性向上を目指すとのこと。