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Facebookの仮想通貨リブラがステーブルコインに関するG7レポートに回答

リブラの採用は数十億人の金融サービスのコストを削減する

(Image: Shutterstock.com)

主要7か国(G7)ステーブルコイン作業部会の最終報告書に対し、Libra(リブラ)協会は10月18日に回答を発表した。規制当局と協力し合い、法定通貨を保護しながら、金融政策よりも国家主権を尊重するように設計し、仮想通貨リブラが目指すのはステーブルコインが持つデジタル金融の未来だと主張した。

G7ステーブルコイン作業部会の最終報告書

G7の作業部会は、ステーブルコインがもたらす課題、リスク、利益を調査。マネーロンダリング対策やセキュリティなどの観点で、既存の問題点を拡大する可能性があると結論づけた。

また、中央銀行など金融機関が発行する「リテール型」ステーブルコインは、金融コストの改善策として妥当な手段になりうると評価。ステーブルコインはグローバル決済を効率化し、その発展に貢献する可能性があると報告している。

一方、リブラ協会が開発するFacebookの仮想通貨リブラなど、非金融が発行するステーブルコインを「ホールセール型」と分類している。ステーブルコインは、その規模に関係なく、マネロン対策、サイバーセキュリティなどに懸念点があるとし、普及が世界規模に達する場合には、国家の金融政策や経済の安定性、国際的な通貨システムにまで影響を及ぼす可能性があるため、要注意であると指摘する。

リブラ協会の回答

それらのG7レポートに対してリブラ協会は、仮想通貨リブラは規制当局と協力し合い、法定通貨を保護しながら、金融政策よりも国家主権を尊重するように設計されていると主張する。また消費者保護等、世界中の保護に関するコンプライアンスを促進するよう設計されているという。

マネーロンダリング防止(AML)や本人確認(KYC)等についても徹底して対策を行っており、グローバルな金融システムの安定性を重要視し、国家主権による金融政策に対してもリブラ協会は協調し、既存の規制機関と協力し合いながら、デジタル金融の世界を混乱させたり、損なわせるようなことはないと明言をしている。

リブラ協会は、ステーブルコインのグローバルトレンドとして、技術の長期的な可能性を実現するために設立した協会であることを主張する。ステーブルコインに対するアクセスを改善することで、数十億人の金融サービスのコストを削減することを目標としていることを明らかにし、仮想通貨リブラが目指しているのはステーブルコインが持つデジタル金融の未来だと断言をする。

仮想通貨リブラは、ボラティリティの問題を解決し、セキュリティ、速度、支払の信頼性を向上させると同時に、中央銀行が発行するデジタル通貨とも共存が可能なように設計されるとした。

また本回答では、リブラ協会は公正な競争と市場の完全性を確保するためにリブラネットワークをオープンなものとし、サービスプロバイダー間の競争が可能になることも約束している。