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過疎地域交通網のISOU PROJECT、北海道での実験結果を報告

半数以上が高齢者で呼び出し方法は要改善。再エネの利活用と地産地消に有効

ISOU PROJECTのサービス全体像(発表資料より引用)

過疎地域に次世代交通網を構築するISOU PROJECTは10月24日、北海道檜山郡厚沢部町で行った最初の実証実験について、成果を報告した。8月19日から12日間実施した実験で、のべ300名超がサービスを利用し、その半数が60代以上の高齢者だった。実験を経て課題も見つかったが、再生エネルギーの利活用と地産地消として実現可能性を確認できたという。

実験には、サービスに申し込んだ100名超の町民が参加。期間中ののべ利用者数は300名超だったという。半数以上が高齢者であり、スマートフォンの所有者は少数だった。当初の想定通り、アプリよりも電話オペレーション(CTIシステム)が多く利用されたという。利用者からは、電話での呼び出し時、ボタン押下回数について簡略化を求める声があり、要改善としている。

エネルギーの地産地消に関しては、厚沢部町で稼働中のメガソーラーのみで一定台数のEVを稼働可能という計算であり、「再生エネルギーの利活用およびエネルギーの地産地消といった取り組みの実現可能性が高いことが明らかになった」としている。実験終盤に訪れた視察団からはプロジェクトに対する期待の声も寄せられた。今後、事業化を検討していくという。

ISOU PROJECTは、INDETAILとTISが主導し、日本オラクル、北海道電力、クレメンテック、三菱オートリース、東光高岳、三井住友海上、ダイワハウスパーキングが協力している。ブロックチェーン技術や電気自動車(EV)を用いて、過疎地域での次世代交通網の構築やエネルギー問題の課題解決を目的とする計画だ。

ISOU PROJECTは、ブロックチェーン上で地域通貨を発行し、住民が地域通貨でEVバスを利用できるサービスを、過疎地の交通網として提供する。利用の一例として、設置された端末から現金で地域通貨を購入。スマートフォンアプリでEVバスを呼び出して、行き先を指示。地域通貨で運賃を決済という形でタクシーのように利用できる。

実証実験は、新たに開発したMaaSプラットフォーム、移送サービスに用いるEVや地域通貨の発行端末、EVバスの配車に使うスマートフォンアプリやICカードなどを無償貸与して実施した。また、町の既存施設であるEV充電スタンドや太陽光パネルを活用し、再生エネルギーの地産地消も検証した。