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イーサリアム2.0、2020年初頭のリリースに向け監査・検証の段階へ

LayerX中村龍矢氏の研究で2つの脆弱性が修正済み

(Image: Shutterstock.com)

Ethereum財団は11月8日、Ethereum 2.0のアップデート情報を週次で報告する短信の第3回を公開した。2020年初頭を予定しているEthereum 2.0 フェーズ0のリリースに向け、アルゴリズムの監査や脆弱性の検証が需要を増してきている。短信では、LayerXの中村龍矢氏の功績が評価された。同氏の研究により、2つの脆弱性が解消されたという

Ethereumは現行のバージョンを1.xとし、大型バージョンアップとなるEthereum 2.0を2020年初頭から順次リリースする予定だ。その最初期のバージョンとなるフェーズ0では、Ethereum 2.0を構成するブロックチェーンの1つであるビーコンチェーンを実装する。これは、Ethereum 2.0で実装される各機能の基礎となる部分だ。

Ethereum 2.0 フェーズ0の仕様はすでに大枠で確定しており、現在は各クライアント(ノード運用ソフトウェア)の実装、クライアント間の相互運用性の確立、アルゴリズムの監査・検証などが同時並行で進行中だ。現時点では、フェーズ0の仕様の多くの部分が監査の対象から外れている。今後数か月の間にいくつかの監査を実施し、必要に応じて仕様を変更するという。

LayerXの中村氏は、Ethereum 2.0に実装されるコンセンサスアルゴリズムの候補の1つであるCasper FFGと、フォーク選択ルールのLMD GHOSTを分析。プロトコルの一部が悪用される可能性を指摘し、その解決策を示した。中村氏が指摘した「デコイフリップフロップ攻撃」と「バウンス攻撃」への対策は、いずれもフェーズ0の仕様として組み込み済みとのこと。

LayerXは10月に国内で初めてEthereum財団の助成金プログラムに採択された企業の1つ。中村氏は同社のR&Dエンジニアであり、CBC Casperコアリサーチャーだ。同社は、「CBC Casperの将来的なEthereumへの導入に向けた理論的研究、及び日本国内のEthereum研究コミュニティの活性化」に注力している。