仮想通貨(暗号資産)ニュース

EU財務相、「リスクが解決するまでFacebookの仮想通貨リブラ認めず」

欧州中銀のデジタル通貨発行に期待

(Image: Ascannio / Shutterstock.com)

欧州連合(EU)の財務相理事会は12月5日、Facebookが検討する仮想通貨Libra(リブラ)のような民間のデジタル通貨について、リスクが完全に取り除かれるまでEU内での発行を許可しないと申し合わせた。ロイターやCNBCなど海外メディアが報じた。

財務相らは共同声明で、「法、規制、監視の課題とリスクが適切に対処されるまで、EUでグローバルなステーブルコインの運用を開始するべきではない」と述べた、リブラのローンチに対して、高いハードルを設定した。

EU財務相はさらに、域内での暗号資産とステーブルコインの規制策定を検討することも明かした。

EUはリブラなど民間のステーブルコインの脅威に対抗しつつ、消費者の利便性を向上させるため、EUの中央銀行である欧州中央銀行(ECB)に対し、中央銀行のデジタル通貨(CBDC)発行を検討するよう求めている。

ECBは会合に先立ち、技術革新が現金利用を減少させ、決済のあり方を変えていることを背景に、民間の対応が不十分ならCBDCを発行する必要があるとの文書をまとめ、デメリットも含め慎重に検討する姿勢を示した。財務相らはこのECBの取り組みも高く評価した。

リブラを運営するリブラ協会は、スイスに拠点を置いているが、EUは当初からそのリスクを懸念してきた。特にドイツとフランスは「リブラを阻止する」と明言し、共闘体制を取っており、フランスは今月、独自のデジタル通貨を2020年第1四半期にテスト運用するとも発表している。