仮想通貨(暗号資産)ニュース

「Facebookの仮想通貨リブラはアリペイとWeChatを超えるかもしれない」

中国研究者、「投降するべきでない」と指摘

(Image: Tada Images / Shutterstock.com)

中国コンピューター学会がこのほど、ブロックチェーンをテーマにしたフォーラムを上海で開き、上海同済大学、復旦大学など有力大学の研究者が学術的な角度からブロックチェーン技術の発展の現状や可能性を討論した。新浪財経が26日に報じた

CCF上海支部主席でAI・フィンテック企業「丹渥智能」の白碩会長は、Facebookの仮想通貨「Libra」(リブラ)が中国のIT業界に与える影響について講演。「ブロックチェーン技術を活用した決済システムは、低コストの国際決済を実現する。中国のモバイル決済アリペイ(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)は、あとからやってきたリブラに抜かれてしまうかもしれない」と危機感を語った。

白碩会長は、リブラのローンチや普及には複数の壁があるとしながらも、リブラがサービスを始めれば、自力で通信と金融インフラを構築できず、中央銀行がうまく機能していない発展途上国をサポートする存在になると指摘。その影響は中国のフィンテック業界にも及ぶとし、「中国内では既に便利なキャッシュレス決済があり、リブラの影響は少ない。だが、リブラは手数料の非常に低い国際決済を実現する。これは中国の既存サービスが持たないメリットであり、中国は軽視せず積極的に対応するべきだ」と述べた。

今後の対応について、「海外事業でリブラに乗っかるなら、それは『投降』と同じだ。中国内で事業し、リブラと全く関わらなければ『縮小』だ。我々はリブラに拮抗できるシステムを構築する必要がある」と強調した。

白碩会長はまた、ブロックチェーン技術の方向性に対し、「ブロックチェーン技術は人と人との信用問題を解決する。信用が効率的に担保できるようになれば、最終的に人を介在しない無人化に向かうだろう」と述べた。