仮想通貨(暗号資産)ニュース

有機オリーブオイル「テラデリッサ」がブロックチェーンで品質保証へ

IBMのフードトラスト活用でオリーブの有機栽培を証明

(Image: Shutterstock.com)

米IBMは1月14日、同社が開発する食品追跡システム「フードトラスト」(Food Trsut)を用いて、新たに地中海産のオリーブオイルの流通をデジタル化することを発表した。地中海南部最大のオリーブオイル生産社の1つであるCHO主導のもと、有機栽培を用いたエキストラバージンオリーブオイル「TERRA DELYSSA」(テラデリッサ)のトレーサビリティを提供する。オリーブの栽培から、流通、販売まで、その品質保証を透明化する。

フードトラストは、IBMと米Walmartとの取り組みから始まった食品トレーサビリティのシステムで、ブロックチェーン技術のHyperledger Fabricをベースに開発された。国内でも伊藤忠が同システムを用いたコーヒー豆のサプライチェーン透明化に取り組んでいるなど、さまざまな食品の由来を明らかにするために用いられている。

オリーブオイルのサプライチェーンでは、オリーブが有機栽培された果樹園、オリーブ粉砕工場、オイルのろ過、瓶詰め、流通施設など、8つの品質保証チェックポイントがあるという。世界中で販売されるテラデリッサの購入者は、各ラベルのQRコードをスキャンすることで、出所記録を確認することができる。オリーブオイルの起源、生産、流通過程をチェックポイントごとに確認ができるという。

ブロックチェーンによって記録されたオリーブオイルのサプライチェーン情報は、消費者のみならず、ディストリビューター、小売業者、および他のサプライチェーンの許可されたメンバーが、ほぼリアルタイムで共有することもできるという。

テラデリッサは、原産国のチュニジアで最大のシェアを誇る。国内でもAmazonやコストコなどで取り扱いがあり、入手可能だ。発表時点での流通分にはフードトラストのQRコードは付与されていないと見られるが、オリーブオイルの消費期限が約1年程度であることを考慮すると、2020年内にも来歴が確認できるものが提供され始めるのではないだろうか。