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つくば市のネット投票実証実験が成功、パイプドビッツが構築した投票システム
ブロックチェーンとマイナンバーカードを活用
2018年8月30日 06:30
株式会社パイプドビッツは8月29日、ブロックチェーン技術とマイナンバーカードを活用する同社開発のネット投票システムの実証実験が成功したことを発表した。これは、茨城県つくば市が主催する「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」の最終審査の選考投票として実施されたもの。パイプドビッツによると、ネット投票で課題とされる投票の正当性、秘密投票、非改ざん性が、ブロックチェーン技術を活用した今回の投票によって実証したと報告している。
パイプドビッツは、国内初となるマイナンバーカードとブロックチェーン技術を活用したネット投票システムを構築し、つくば市が実施する社会実装トライアル支援事業を選出する最終審査案件に協力。8月の20日から24日までの期日前投票と、28日の最終審査当日の本投票に、同社のネット投票システムが導入され、本格的な実証実験を行った。
投票システムは、まず、マイナンバーカードの情報を読み取ることで投票権を有することを証明。電子証明書の署名用パスワードを入力することで、投票者本人による投票であることを証明し、投票の正当性を実証した。
秘密投票については、マイナンバーカードに含まれる公開鍵と秘密鍵のキーペアと、システムが用意した公開鍵と秘密鍵で投票内容を暗号化し、投票者情報と投票内容を分離して管理。これにより、システム管理者であっても投票者情報と投票内容を紐づけることができない仕様にして、秘密投票を実現したという。
また、非改ざん性については、投票者情報と投票内容を別々のサーバーで管理するとともに、データの改ざんが困難なEthereumによるブロックチェーン技術を活用し、投票データの改ざんや消失の防止を行っているとのこと。
なお、今回のネット投票は、「つくば市、ブロックチェーンとマイナンバーカードを活用したネット投票を実施」の記事などで報じたように、マイナンバーカードを持っていれば、つくば市民以外の人でも投票できるオープン環境で実施された。投票の結果により、「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」の最終審査を通過する事業が決定する。