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ガートナー、AI・ブロックチェーンへの世間の関心はピークを越えたとハイプ・サイクルで示す

ITとビジネス課題の解決に向けた最新トレンド・最先端の知見・展望を発表

 米国に本社を置く調査会社のガートナージャパン株式会社は10月11日、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」を発表した。ハイプ・サイクルとは、ガートナーが独自に提唱する新技術の成熟度、採用度、社会への適用度などを示す一種の指針であり、新技術を採用するか否かを判断するために参考にする企業も少なくない。ガートナーによれば、人工知能やブロックチェーン技術に期待する世間の関心はピークを越えて幻滅期へ入るとしている。ちなみに幻滅期という表現は、技術の進化や成熟度合いとは無関係であり、単にメディアや世間の関心が薄れつつある状況を指すワードである。

 今回発表のハイプ・サイクルでは、デジタル・ビジネスを推進するのに重要だと思われる技術やサービス、方法論など代表的な40のキーワードを取り上げている。ハイプ・サイクルは、新技術に対して時間の経過とともに変化する市場からの期待度を2次元の波形曲線で表している。ガートナーは、新技術が市場に受け入れられる過程は、総じてこの曲線のような経過をたどるという。

「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」(プレスリリースより引用)

 ハイプ・サイクルは、5つの段階に分けることができる。初めて市場に登場した技術は、期待度が上昇し世間の関心が一気に高まる「黎明期」(れいめいき)を迎える。新技術は成果が伴わないままメディア等に過熱気味にもてはやされ「流行期」をたどり、成功事例はまれで多くは失敗に終わり、やがて過度な期待はピークを迎え、期待に応えることができずに世間の関心は薄れ、メディアにも取り上げなくなる「幻滅期」を迎えるという。幻滅期に突入した技術は、メディアでは取り上げられなくなるものの、一方でいくつかの成功事例を示すことができた事業により実質的な市場浸透が始まり「啓蒙活動期」を迎える。やがて技術は市場に完全に認知される「生産性の安定期」をたどり、最後は誰もが認知した成熟した技術に至るという。

 「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」は、これまでに登場した代表的な技術がハイプ・サイクルのどの位置にマッピングされているのかを示すものになっている。一例を挙げると、「モバイル・コンピューティング」や「生体認証」は、すでに啓蒙活動期を迎えている。「ビッグデータ」は幻滅期をまもなく抜けだし、啓蒙活動期に入りそうな段階である。ガートナーによればビッグデータは安定期に達するまでに陳腐化すると予測されている。「人工知能」と「ブロックチェーン」は、いまだに流行期ではあるものの、ピークを越えてまもなく幻滅期に入る段階だ。ちなみに「IoTセキュリティ」や「ヒューリスティック・オートメーション」などが黎明期の旬なキーワードとして挙げられている。

 なお、これらの分析結果に対する理由などについては、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」で詳しく解説されているので、リリースを一読することをおすすめする。