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みんな電力、ブロックチェーン活用の低コスト電力トレーサビリティシステムを商用化へ

マッチング結果はNEMブロックチェーン上に記録し「どの電源からどれだけ電気を買ったか」の証明が可能

ENECTION 2.0による電力マッチング全体像(プレスリリースより引用、以下同)

 みんな電力株式会社は12月5日、ブロックチェーン活用によるP2P電力取引システム「ENECTION2.0」の試験運用結果と今後のサービス展開について発表した。9月より8社が参加した試験運用では30分単位での電力マッチングを行い、70%以上の電力需給をマッチングしたとしている。マッチング結果はNEMのパブリックブロックチェーン上に記録されるため、「どの電源からどれだけ電気を買ったか」の証明が可能とのこと。ENECTION 2.0を利用した4種類のサービスを2019年度中に順次リリースする予定だという。

従来のトラッキング手法との比較

 ENECTION 2.0は、30分単位という従来より大幅に短い間隔での電力需給マッチングを特長としている。マッチングの結果はNEMのパブリックブロックチェーン上に記録されるため、低コストかつ高精度な電力トレーサビリティが実現するという。そのコスト比は従来のRECをベースとしたトラッキング手法が年間で約25万円のコストがかかるのに対し、本システムでは半分以下の約10万円(現在のNEM価格を前提に算出)となるとのこと。

 みんな電力は、発電事業者4社と需要家4社と共にENECTION 2.0の試験運用を9月から実施し、実際に30分単位での電力需給マッチングを行った。その結果は先の記事で報じたように、試験運用に参加した丸井グループの新宿マルイ本館施設を一例として十分な成果が得られている。同施設ではENECTION 2.0プラットフォームで提供予定のサービス「ENECT RE100プラン」を適用した結果、9月度の電力供給量の内71%が指定した電源とマッチングし、総消費量に占める再生可能エネルギーの割合は90%を超えた。

ENECTION 2.0試験運用の概略図

 ENECTION 2.0を利用したサービスとして、「ENECT RE100 プラン」「ENECT プロシューマー」「ENECT Virtual PPA」「ENECT SaaS」の4種類を順次展開するとのこと。直近では再エネ化推進企業向けの「ENECT RE100プラン」を2019年4月頃にリリースする予定としている。さらに、再エネを円滑に供給するための仕組みとして「ENECTパワープール」を開設し、RE100プランのリリースまでに300MWの再エネ電源を用意するという。