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「アート×ブロックチェーン」のスタートバーン、電通らから3.1億円を資金調達

イーサリアムのスマートコントラクトでアート作品の証明書付き流通を目指す

アートブロックチェーンの概略図(プレスリリースより引用、以下同)

 「アート×ブロックチェーン」の領域に取り組むベンチャー企業スタートバーン株式会社は3月19日、第三者割当増資による3億1000万円の資金調達を発表した。引き受け先は、株式会社東京大学エッジキャピタル(UTEC)、株式会社SXキャピタル、株式会社電通、片山龍太郎氏となる。調達資金は、ブロックチェーンネットワーク・接続ASP開発の加速や、国内外のビジネス展開に活用するとのこと。

 スタートバーンは、アート作品の評価・流通インフラとして「アートブロックチェーンネットワーク」を構築し、2018年からテストネットを公開しているという。同サービスは、アート作品の来歴と流通のマネジメントを可能とする。現在開発中の証明書発行機能では、売買の履歴だけでなく、展示・貸し出し・鑑定といった作品の評価と信頼性に関わる様々な履歴を連続的に記録できるようになるとのこと。

証明書による記録のイメージ図

 また、スマートコントラクトによって、リージョンコントロール・著作権管理を含めた流通管理やアーティストへの還元金の設定も可能だという。これは作品の移転(所有者の変更)が行われた際に、スマートコントラクトによって作者に還元金が支払われる仕組みとなる。

スマートコントラクトによる還元金の発生イメージ図

 同社は現在、アーティストやギャラリーが作品を販売できるサービスstartbahn.orgを運営しており、アートブロックチェーンへの他サービスの接続を容易にするASPを開発中とのこと。

 本発表にあたって弊誌では、同社取締役兼CMOの波多野智也氏へインタビューを行った。同社の「アートブロックチェーンネットワーク」について、その成り立ちと仕組み、そして今後の展望を伺った。

 元々、同社代表取締役兼CEOの施井泰平氏は、ブロックチェーン技術の登場以前から「アートの新しい仕組み」について検討を重ねてきたという。氏は作家への還元金を重視し、いくつかの特許取得やサービス展開をしてきたが、従来のプラットフォームサービスでは還元金ルールの徹底ができなかった。そこで、ブロックチェーン技術に白羽の矢が立ち、サービスではなくプロトコルのレベルで仕組み作りを始めて今に至ったという。

 「アートブロックチェーンネットワーク」の仕組みについて、Ethereumで実装を行っているとのこと。証明書は従来高額なアート作品につけられ、その価値を証明する。それをEthereumのブロックチェーン上に記述すると同時に、「ルールセット」として還元金に関する記述も行う。ルールセットに基づいたスマートコントラクトによって、二次販売時などにも作家へ還元金が支払われる仕組みを確立しているという。

作品証明書のイメージ図

 現在「アートブロックチェーンネットワーク」は、テストネット上でサービスの商用展開に向けた開発が進められている。正式なローンチ時には「既存のアート業界で悩みを抱える個人や企業」「既存システムで収益化できていない個人や企業」に広く利用されるようAPIなどを開放しつつ、同社によるサービスの提供もしていくとのこと。