仮想通貨(暗号資産)ニュース

低迷する仮想通貨市場から事業間協力で脱却へ。コインチェックの黒字化を目指す

マネックスGが2019年3月期決済短信発表、クリプトアセット事業は17億円の損失計上

 仮想通貨交換所「Coincheck」を運営するコインチェック株式会社を傘下に収めるマネックスグループ株式会社は4月25日、2019年3月期決済短信を発表した。コインチェック社の事業活動は、クリプトアセット事業セグメントとして報告している。クリプトアセット事業は、営業収益21億1600万円とするも、仮想通貨市場が冷え込む中で取引が低迷し、内部管理態勢の整備費用がかさみ、2019年3月期の税引前利益ではセグメント損失17億3200万円を計上した。マネックスグループとしての連結決算では、営業収益521億7500万円(前期比2.7%減)、純利益11億8100万円(前期比82.5%減)を計上している。

 グループ全体では、米国にて収益性の向上に成功。日本は株式市場売買代金の減少などにより、前期比減益となった。決算報告では、今後グループ間の協力を推進し、グループ各社の収益性と成長性を高めていく方針を明らかにした。クリプトアセット事業においては、仮想通貨市場の低迷を受け、グループ間の協力等により黒字化を目指す。

 各事業間の協力を促進する具体策としては、マネックス証券とCoincheckの間に、顧客接点を複数展開していくという。現在、182万の総合口座を有するマネックス証券と、本人確認済み90万の口座を有するCoincheck(登録ユーザー数は175万ユーサー)にて相互送客を行っていく。また、マーケティング施策として顧客のリテラシー向上のためのコンテンツ提供や、入会から初回取引までのプロセスの改善等を実施するという。

 またマネックスグループは各事業の協力を促進し、投資とトレーディングの分野では前述の証券と仮想通貨の相互送客を行いながら、AIなどテクノロジーの融合による商品の拡充を図っていく。個人投資家向けオンライン証券ビジネスおよび仮想通貨交換ビジネスを軸に持続的成長を図りながら、さらにはブロックチェーン技術など新しいテクノロジーによるビジネス開発やスタートアップへの投資を実施し、未来の金融を目指すとしている。