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米リップル社、エコシステム拡大とXRP価格安定化・取引活発化を報告

仮想通貨XRPの2019年第1四半期市場レポートをリップルが公開

(Image: Shutterstock.com)

 米Ripple社は4月24日、仮想通貨「XRP」の2019年第1四半期市場レポートを発表した。第1四半期にRipple社が売却したXRPは合計1億6942万米ドルで、全世界で取引されたXRPのうち、0.32%に当たるという。同社は2018年第4四半期のレポートでもXRPの価格の安定化を報告していた。今期も引き続きXRPの市場価格は安定化が進む傾向にあるとし、前日比の価格変動率の標準偏差を示す日次ボラティリティは2013年末以来最低値の2.3%を示したという。

 仮想通貨市場は2017年末から2018年全体を通して弱気市場であった。「クリプトウィンター」と表されるこの期間を通じて、不確かなビジネスの間引きが行われたため、業界全体としては良い結果になったとRipple社はいう。ブロックチェーン関連企業の中でも、明確なユースケースや実用性を持たない企業は、資産価値の下落などからプロジェクトを中止せざるを得ない状況に追い込まれたからだ。結果、本物のビジネスが勢いを増すことにつながった。

 Ripple社は今期も引き続き、エコシステム拡大を報告している。同社の国際送金ネットワーク「RippleNet」には2019年1月、13の金融機関が加入し、全世界で加盟企業・団体は200を超えた。このとき加盟した英国のEuro Exim Bankは、RippleNetの「xCurrent」と「xRapid」を活用し、公的金融機関としては初めて、仮想通貨XRPを利用した国際送金システムの採用を表明している。

 また、仮想通貨XRPを取り扱う仮想通貨交換業者も引き続き増加している。現在、世界で約120の仮想通貨交換所がXRPを取り扱っているという。今期新たにXRPを採用した仮想通貨交換業者は、世界で19社とのこと。

 今期のXRP市場価格は、Bitcoinなど主要仮想通貨との相関性を示し、ボラティリティの低下による価格の安定化傾向を強めている。XRPの市場価格自体は前期から今期にかけて下落した。他方、日間の平均取引量においては価格ベースで前期と同等の値を示しているという。価格が低下する一方で、その取引自体は活発化していることが表れている。

XRPの相場・取引量の変動(CoinGeckoより引用)

 Ripple社が2019年第1四半期に売却した1億6942万米ドルのXRPのうち、1億749万米ドルはプログラムによるもの。Ripple社による機関投資家への直接販売は6193万米ドルで、Ripple子会社のXRP II, LLCによる。

 Ripple社は2017年第4四半期に、550億XRPをエスクロー(第三者預託)によってロックアップしている。2019年第1四半期には30億XRPを開放(10億XRP×3回)し、その後、23億XRPが新しいエスクローに入れられた。差分の7億XRPは、XRPエコシステムをサポートする施策等に使用されたとのこと。Ripple社の投資部門Xpringは、XRPを活用したゲーム開発基盤の提供を目指す米Forte社との提携・ファンドの設立を発表している。