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イーサリアム 2.0初期段階のソフトとテストネット、Prysmatic Labsが公開
プルーフ・オブ・ステーク型の合意形成アルゴリズム「Casper」を部分実装
2019年5月10日 07:29
Ethereumのコア開発を行うPrysmatic Labsは5月7日、Ethereum 2.0の初期段階(フェーズ0)の機能を実装したノード運用ソフトウェア「Prysm」を公開した。同時に、同ノードによるテストネット「Sapphire Testnet」の稼働が開始し、同ソフトウェアを導入することでテストに参加できる。フェーズ0では、2種類のノード運用ソフトウェアによる2つのブロックチェーンの連動で、極めて限定的な「Casper Proof of Stake」(キャスパー・プルーフ・オブ・ステーク)を導入している。
Ethereum 2.0とは、開発コードSerenityの名で開発が進められる、現在計画されているEthereumのアップグレード最終段階だ。代表的な2つの変更点は、スケーラビリティを解決する「シャーディング」(Sharding)の実装と、コンセンサス(合意形成)アルゴリズムを現行のPoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)方式から、PoS(Proof of Stake:プルーフ・オブ・ステーク)方式への変更だ。これらは、現行のメインチェーンに接続する複数のブロックチェーンという形で開発が進められている。
今回公開されたSapphire Testnetは、フェーズ0としてPoSのアルゴリズム「Casper」を部分的に実装する。PoSでは、PoWにおけるマイニングの代わりに、仮想通貨の保有量を基準に選定されるバリデーター(検証者)がブロックの生成を担う。フェーズ0では、バリデーターの管理を担うブロックチェーン「ビーコンチェーン」によるバリデーターの選定と、バリデーターによるブロックの承認を実装している。
テストネットは一般公開されており、同社のEthereum 2.0用ノード運用ソフトウェア「Prysm」を導入することでテストネットに参加できる。ブロックの生成を担うバリデータークライアントと、バリデーターの管理を行うビーコンチェーンクライアントが提供されている。
バリデーターとしてテストネット上で認定されるにはGoerli Testnet上のEthereum(ETH)が必要となり、3.2ETHをステークする必要がある。記事執筆時点では約900のノードがバリデーターとしてネットワークに参加している。