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FATF、1000米ドル相当の仮想通貨送金に厳格なKYC義務づけ

2月草案化された仮想通貨交換業等に関する規制の正式採用が決定

(Image: Shutterstock.com)

金融活動作業部会(FATF)は6月21日、仮想通貨サービスプロバイダー(Virtual Asset Service Provider、略称:VASP)におけるリスクベース・アプローチを公開した。同文書は6月19日から21日に開催されたFATF総会で採択された。2019年2月にFATFが発表した勧告15「新技術の悪用防止」の解釈指針を正式に採用したものである。

「仮想通貨サービスプロバイダー」とは、仮想通貨交換業者や特定種類のウォレット提供者、新規仮想通貨公開(ICO)向けの金融サービスなどを指す表現となる。なお、FATFは仮想通貨(暗号資産)を「仮想資産(Virtual Asset)」と定義するが、本稿では仮想通貨と呼ぶこととする。

仮想通貨サービスプロバイダーに求める新たな要件は、FATFが2019年2月に発表した勧告15の解釈ノートの内容に従う。仮想通貨サービスプロバイダーが新たな要件に対応するための準備期間は12か月で、2020年6月までに以下に代表される各種の対応を行うことを推奨している。

仮想通貨サービスプロバイダーは国や地域で免許取得または登録が必要である。各国は必要な免許や登録なしに仮想通貨サービスプロバイダーの活動を行う個人または法人を特定して適切な制裁措置を適用する。監督当局は必要に応じて免許や登録の撤回・制限・停止などの懲戒や金融制裁などを執行する権限を持つべきとしている。

1,000米ドル以上または1,000ユーロ以上に相当する仮想通貨の送受金には、仮想通貨交換所などの仮想通貨サービスプロバイダーに対して厳格な身元確認(KYC)義務を求める。取引相当額が1,000米ドルまたは1,000ユーロを超えたりマネーロンダリングおよびテロ資金供与の疑いがある場合、仮想通貨の移転に必要な委託者と受益者の正確な情報(委託者の氏名・ID・口座番号、受益者の氏名・口座番号)を入手・保管し、要請に応じて当局が利用できるようにすることを要求する。