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中国人民銀「仮想通貨の研究は重要タスク」中銀デジタル通貨開発を今年後半に加速

CBDC注力の発表受け深セン・上海上場のブロックチェーン関連企業株が一斉値上がり

(Image: testing / Shutterstock.com)

中国の中央銀行である中国人民銀行は、2日に開いた2019年後半の業務を確認するテレビ会議で、中銀が発行するデジタル通貨(CBDC)の開発と、国内外の仮想通貨の発展の研究を重要タスクとして通達した。

デジタル通貨は、2019年の金融業界のホットなトピックだ。Facebookが6月にリブラプロジェクトを発表し、今月にはウォルマートもデジタル通貨の発行を検討していることが明らかになった。イングランド、カナダ、スウェーデンの中央銀行もCBDC発行について議論を重ねている。

中国もこの分野では世界の先駆け的存在だ。中国は2017年に中国人民銀行デジタル通貨研究所を設立。2018年6月に、同研究所の100%子会社として深セン金融科技を設立し、2019年9月には南京にも研究拠点を開設した。現地メディアの経済参考報によると、中央銀行デジタル通貨研究所は7月31日までに74件の特許権を申請している。

中国人民銀行研究局・通貨金銀局の王信局長は、中国のCBDCについて、現金の代替的役割を果たすと同時に、中央銀行の通貨の地位を高め、金融政策に寄与する存在と説明した。また、利息をつけることで所有者の安全・貯蓄のニーズに応え、マイナス金利を可能にするツールとしてもみている。

中国は2017年9月に仮想通貨の取引やICOを全面禁止したが、行政や公共サービスの効率化、産業のアップグレードに貢献する技術として、ブロックチェーン技術を支援している。中国人民銀行のデジタル通貨開発の動きが伝えられた8月5日、深セン、上海市場に上場しているブロックチェーン関連企業の株は軒並み値上がりした。