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米リップル、XRPの変動率3.1%はビットコインと同程度と報告

「ODLによる海外送金は好調に拡大」=2019年第4四半期市場レポート

(Image: Shutterstock.com)

米リップルは1月22日、仮想通貨「XRP」の2019年第4四半期市場レポートを発表した。第4四半期にリップルが売却したXRPは合計1308万米ドル相当。同期間に全世界で取引された売上172億4000万米ドルのXRPの0.75%に当たる。前四半期売上6624万米ドルと比較し、78%減となった。リップルは、売上の減少をEMEAやアジアなどの戦略的地域で戦略的パートナーとの店頭販売のみに焦点を当て、プログラム販売を休止中であることを理由として挙げている。

売却状況サマリー(百万ドル)2019年第3四半期2019年第4四半期
Institutional direct sales(OTC)50.1213.08
プログラム売却16.120
全売却額66.2413.08
全世界のXRPの総取引量2019年第3四半期2019年第4四半期
ADV XRP(百万ドル)198.10187.34
Total XRP volume(十億ドル)18.2317.24
全売却額の全取引量に対する比率0.4%0.08%

CryptoCompare社が提供する「CryptoCompare Top Tier」(CCTT)のデータによると、XRPの日次取引高平均は、第4四半期は1億8734万ドルとなり、第3四半期の1億9810万ドルからやや減少する結果となった。またボラティリティについては、CCTTのXRPの終値に基づくと、第4四半期の日次収益率のボラティリティ(価格変動率)は3.1%で、前四半期の3.6%から低下しているという。XRPのボラティリティは、Bitcoinの3.0%、Ethereumの3.1%とほぼ同等であると報告している。

XRPとBTCのボラティリティ、リリースより引用

引き続きODLによる海外送金は好調

リップルは11月、MoneyGram、goLance、Viamericasなど20数社がODL(On-Demand Liquidity)の顧客に加わったことを発表した。ODLは、XRPを媒介に低手数料・高速の海外送金を実現する技術。これまでのODLによる特定地域での米ドルとメキシコペソ(USD-MXN)、米ドルとフィリピンペソ(USD-PHP)の送金に加え、オーストラリアからUSDとPHPへの支払いの開始、ユーロと米ドルの新しい本番用ODLの稼働開始を報告した。2020年には、APAC、EMEA、LATAMの間でのODL送金を追加する計画が進行中であることも明らかにし、ODLが好調であることを強調した。

2019年は、ODLを通じて取引された金額は第1四半期から第4四半期の間に大幅に増加、特に第3四半期から第4四半期の間に650%増加した。ODL取引数も第3四半期から第4四半期にかけて390%増加しており、デジタル資産による海外送金のニーズの高さが証明されたという。また、リップルはメキシコ最大の仮想通貨交換所であるBitsoへの投資による支援についても報告している。

XRP、その他の活用方法

レポートは、XRPデリバティブ市場についても触れている。2019年は、仮想通貨のデリバティブ取引が顕著な成長を記録したが、XRPデリバティブは2020年にはさらに発展する可能性があるという。これまでXRPデリバティブは、Binance、Huobi、OkeXなどのいくつかの仮想通貨交換所取引所で利用可能だが、さらに、XRPデリバティブは、リップルのクロスボーダー決済ソリューションを通じて、エクスポージャーや取引を管理するための潜在的に重要なツールとして活用されることが期待されている。

また、デジタル資産の貸借市場が50億ドル産業とみなされるようになり、この1年間で大きな勢いを見せているという。この勢いを加速させた要因としては、多くの固定通貨の低金利、運転資金を求めるデジタル資産市場参加者の増加、利回りを求める長期デジタル資産保有者の増加などが挙げられた。貸借市場におけるXRP等の潜在成長力は今年以降も大きくなるだろうとリップルは予測している。