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金融庁が「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ」を公表

表記が「仮想通貨」ではなく「暗号資産」で統一、内部管理態勢不備などを指摘

 金融庁は8月10日、「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ」を公表した。2016年に改正された資金決済法ではBitcoinなどのcrypto currencyを「仮想通貨」と表記しており、従来は金融庁もそう呼称してきたが、今回の公表資料では「暗号資産」(crypto assetsの訳と思われる)という表記に統一されている点が注目される。

 金融庁は、資金決済法などの改正後、仮想通貨交換業者に登録制を導入、事務ガイドラインなどを整備し、2017年4月から新制度の運用を開始した。2018年1月のコインチェック社への不正アクセス事件を受け、業務改善命令や立ち入り検査を実施している。なお、仮想通貨交換業者にはこれまで16社が登録されている。また、改正資金決済法施行前から交換業を行っていたみなし仮想通貨交換業者(みなし業者)16社のうち1社を登録拒否、12社は登録申請を取り下げている。

 金融庁による仮想通貨交換業者に対する検査・モニタリングの結果、会社規模(総資産)が平均して前事業年度比553%と急拡大している一方、少ない役職員で多額の利用者財産を管理している実態が確認されたという。そして、主にみなし業者において、利用者から多額の財産を預かっているという認識が欠如していると指摘している。

 ビジネス面では、取り扱う暗号資産のリスク評価をしていない、自社が発行する暗号資産の不適切な販売、利用者の急増で内部管理態勢の整備が追いついていないのに積極的な広告宣伝を継続している点などを指摘。

 リスク管理・コンプライアンス面では、法令などのミニマムスタンダードにも達していない内部管理、マネーロンダリング・テロ資金供与対策ができていない、分別管理ができておらず必要な帳簿が作成されていない、利用者資産の流用など内部牽制が機能していない、セキュリティー人材が不足している、利用者保護が図られていない、外部委託先の管理ができていないなどの実態が指摘されている。

 ほかにも、内部監査が実施されていない、内部監査計画を策定しているがリスク評価に基づくものになっていない、利益を優先した経営姿勢、取締役及び監査役の牽制機能が発揮されていない、金融業としてのリスク管理に知識を有する人材が不足している、利用者保護の意識や遵法精神が低い、経営情報や財務情報の開示に消極的といった点も挙げられている。

 今後の監督上の対応としては、登録業者・みなし業者・新規登録申請業者それぞれへの対応、自主規制団体との連携、関係省庁や海外当局との連携が挙げられている。新規登録業者に対しては、登録後の早い段階で立ち入り検査の実施が明記されている。