仮想通貨(暗号資産)ニュース
食品会社の食材輸入に仮想通貨XRP活用のRippleNetを導入、英MercuryFX社が成果を発表
Ripple社の国際送金システム「xRapid」使用でコスト減と高速化実現
2019年1月18日 12:59
英国の国際送金会社Mercury Foreign Exchange Limited(以下、MercuryFX社)は1月17日、Ripple社の国際送金システム「xRapid」を活用した実用例を公開した。英国の食品会社Mustard Foods社におけるメキシコへの送金事例では、わずか数秒のうちに8万6633メキシコペソ(日本円にして50万円相当)を英国からメキシコへ送金することに成功したという。この事例では従来のSWIFTを利用した送金システムに対して、79.17英ポンド(日本円にして1.1万円相当)というコストを節約し、31時間早く送金が完了したとしている。
MercuryFX社は、2018年1月よりRipple社の国際送金ネットワーク「RippleNet」に加入(参考記事)。同年10月よりRipple社の提供する国際送金システム「xRapid」を導入し、支払いフローに仮想通貨XRPを使用することで、提供する国際送金サービスの小売送金分野における改善を図ってきた。今回発表した事例はMercuryFX社のこれまでの取り組みの中で最高額のものであるという。
MercuryFX社の国際送金サービスを使用したMustard Food社は、欧州の500以上の飲食店に食料品を提供するために、世界各地から食材を購入している。その支払いのために、高速かつ低コストの国際送金サービスを必要としていたという。
1/1 We've made our largest payments across RippleNet using#XRP? 86,633.00 pesos (£3,521.67) from the U.K. to Mexico in seconds.pic.twitter.com/WsHJuZTiOy
— Mercury-fx Ltd (@mercury_fx_ltd)2019年1月17日
Mustard Foods社の事例を受けRipple社の吉川氏は、同社の提供するxRapidの技術が増大する中小企業や個人の国際送金ニーズに対して1つのソリューションとなることを語る。吉川氏は中小企業が求める「安価・大量」の国際送金の低コスト化を実現する、新しい「インターネット時代」の送金インフラとしてxRapidの有用性を説いた。
それは既存のインフラが大企業向けのhigh value low volumeのユースケースを前提に構築されているから。低い流動性コストでlow value high volumeの国際送金に効率的に対応するには新たな「インターネット時代」の送金インフラが必要です。
— Emi Yoshikawa (@emy_wng)2019年1月17日
Ripple社の技術が銀行間や企業間の国際送金において強力であるということは、同社が強みとしてアピールしているため知る人も多いだろう。そういった分野の企業・機関のRippleNetへの加入や各種の取り組み等はこれまで盛んに発表されてきた。その最新技術であるxRapidについて、今回のように具体的な導入事例としてその成果が報告されるのは目新しい。