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米リップル、インド・サウジアラビア間の国際送金経路を契約から僅か1か月半で構築
RippleNet加盟の2銀行が協力し送金時間3分を達成
2019年5月23日 13:40
米リップル社は5月20日、インドとサウジアラビア間におけるRipple(XRP)を活用した国際送金経路の運用状況を報告した。インドの中位銀行IndusInd Bank(インダスインド銀行)とサウジアラビア第2位のSaudi Arabia British Bank(サウジアラビアブリティッシュ銀行、略称:SABB)が協力する。2行は共にRippleNetに加盟しており、パートナーシップの締結から1か月半という短期間で最初の送金を実行したという。
リップルの提供するRippleNetは、同社が開発する分散型台帳技術「xCurrent」、仮想通貨XRPを活用する国際送金システム「xRapid」、外部のシステムからRippleNetへの接続を可能とする「xVia」といったソフトウェアで構成される、国際送金を目的とする決済ネットワークソリューションである。
国際的なエンジニアリングの中心地として発展を遂げたインドは、2018年の統計では世界で最も多く国際送金を受けた国とされている。中東から北アフリカにかかるMENA諸国において、インドとの間に効率的な送金経路を構築することが極めて重要だという。
今回国際送金の経路を構築した2行は、パートナーシップの締結から実際の送金に着手するまで、わずか1か月半で実現したことをリップルは強調している。これには、先述のとおり送金経路自体に高い需要があること、SABBがかねてよりインドルピーを主力通貨の1つとして多量に取り扱っていたことが関わる。また、2行がRippleを活用したビジネスの拡大に意欲的だったことを要因として、通常数か月かかる送金経路の構築を短期間で実現できたとしている。
SABBとインダスインド銀行間の送金は、当初7分かかった送金時間を発表時点までに3分に短縮しており、両行は今後も高速化を図るという。
インダスインド銀行は今後、Rippleの技術をインド国内の送金にも活用していく方針を示している。送金業務を拡大し、インドにおけるコルレス銀行としての一定の地位を確立することが目標だという。
一方、SABBはインドルビーの取扱量を増やし、インド間の送金経路をさらに強力なものにすると共に、他国との新たな国際送金経路の構築にRippleを活用していくとしている。2019年中に利用の多い5つの通貨の国際送金に、Rippleを活用していく方針を明らかにしている。