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NEM次世代版「カタパルト」ローンチは8月〜11月頃、NEM財団がロードマップを公開

ローンチ後はSTOトークン作成、ステーブルコイン、分散型ファイルストレージの対応予定も

(Image: Shutterstock.com)

 NEM.io財団(以下、NEM財団)は3月30日、NEMの次期バージョンであるCatapult(カタパルト)のロードマップを正式に発表した。処理速度とスケーラビリティの向上のほか、多くの機能が追加されるCatapult(NEM v.2)は、第3四半期(7月から9月)後半から第4四半期(10月から12月)前半にかけて、つまり8月から11月頃のローンチを予定しているとのこと。

 NEM財団が発表したロードマップでは、Catapultの事前テスト(コードネーム:Dragon)、Catapultのテストネットでの公開(コードネーム:Elephant)、Catapultのメインネットでの公開(ローンチ)という3段階に加えて、Catapultローンチ後の2019年中に実施する内容、2020年以降に実施する内容という合わせて5つの段階のスケジュールが示されている。

NEM.io財団のリリースより引用

Catapultのローンチ時期とアップデート内容

 Catapultのメインネットでの公開は、第3四半期(7月から9月)後半から第4四半期(10月から12月)前半にかけて予定されている。ローンチ時に実装される代表的な機能を紹介しよう。

 承認プロセスの新機能「マルチレイヤー・マルチシグネチャ」は、複数人の署名が必要となるように設定するマルチシグネチャが、マルチレイヤーで設定可能となる。

 トランザクション処理の新機能「アグリゲート・トランザクション」は、ワンタイムのスマートコントラストを利用し、複数トランザクションの一括処理が可能となる。

 ネームスペース関連の新機能としては、NEMブロックチェーン上でドメインネームを購入し、そのドメインネームをアカウントアドレスやモザイク名に利用可能となる。

 自分のアカウントから送信を許可するホワイトリスト、自分のアカウントに向けた受信を制限するブラックリストの機能が追加される。それぞれアカウントまたはトークンを設定できるようだ。

 ハーベスティング関連としては、スーパーノードのオーナーは、あらかじめ割り当てた量のリワード報酬を、委任ハーベスターに分配可能となる。また、Catapultローンチ時に、スーパーノード報酬制度の最終決定もなされるとのこと。

Catapultローンチ後のアップデート内容

 2019年中の予定としては、コンプライアンスを遵守したSTOトークン作成の簡便化をサポートするほか、NEMブロックチェーン上でNEMモザイクとBitcoinやEthereumなどとのクロスチェーン・スワップに対応する。モバイルやデスクトップ向けウォレットアプリのアップデート、アポスティーユ機能や投票機能を使いやすくするアプリの公開なども予定している。

 2020年以降の具体的な内容は不明だが、NEMブロックチェーン上で価格の安定化が図られたトークン(ステーブルコイン)、ライトニングネットワーク、IoTを実現する機能への対応などが予定されている。また、匿名や委任、モザイクのステークによる投票といった投票機能の改良のほか、分散型ファイルストレージIPFS(InterPlanetary File System)に対応し、NEMブロックチェーンをファイルストレージのように使えるようにすることなどが列挙されている。