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NEM財団がPOI投票前に資金援助要請提案書を更新、16日午前9時より投票開始

同時期開催予定のNEM Labsコミュニティ提案書への投票呼びかけも

 NEM.io財団(以下、NEM財団)は、新たな資金調達として2億1000万XEM(800万米ドル相当)の支援を要請する計画について、コミュニティの承認を得るための資金援助要請に関する提案書(プロポーザル)「Funding Proposal 2019」を公表している。提案書が実行されるためには、コミュニティメンバーのPOI投票(Proof of Importance投票)による承認を必要としているが、今回、投票開始前に設けられた協議期間の結果をフィードバックし提案書を更新、POI投票に向けた最終提案としてアップデート情報「NEM Foundation Update - February 2019」を公開した。POI投票は2月16日午前9時(日本時間、以下同)から21日午前9時までの5日間としている。

 最初の提案書ではPOI投票による承認の可決要件の1つとして、最低3%のPOI投票が必要であること(「Yes」また「No」を含む全体数)としていたが、更新後は最低要件3%には「No」の投票は含まず「Yes」のみに変更された。その上で、全体の65%以上の「Yes」投票が集まることで、本提案は承認されるものとしている。後者についての変更はない。

 また、コミュニティに対して最善の利益を確保する方針についてポリシーが追加された。これは、すべての協議会の会合でコミュニティに対する最善の利益を確保することを約束する声明であり、声明は従業員およびサービスプロバイダーにも適用されるものとしている。すでにポリシー「NEM.io Foundation Community ‘Best Interest’ Policy」が公開(英語)されている。

 NEM財団の協議会メンバーおよび従業員は職業上自ら行動することとし、経済的および倫理的観点から利益相反を引き起こす可能性を考慮し、倫理規定および利益相反に関する方針について、そのポリシー「NEM.io FOUNDATION CODE OF ETHICS AND CONFLICT OF INTEREST POLICY」を追加公開をした。

 情報共有に関する方針についての記載が追加された。グローバルな状況下において、さまざまなタイムゾーン、ソーシャルメディアなどを通じての情報共有が多くなることから、情報共有を行う者についての責任を確実にする情報共有ポリシー基準「Standards on Information Sharing Policy」が設定された。

 アップデート情報においては、資金調達には直接関係はない関連質問に対しても答えている。まずは、過去の費用および費用関連の質問に対して回答する。NEM財団では2017年と2018年の費用と、費用に関する監査を実施したため、チームメンバーを解雇し、グローバルに事業領域を一時停止することは困難だったとのこと。今後は、コミュニティが利用可能な完全な監査が行われることを約束するという。資金の承認が得られた時点で、費用に関するレビューを重要、優先事項として公開するとした。

 また、この時期に同時に出されたNEM Labsの提案「NEM Labs - COMMUNITY PROPOSAL」を、NEM財団はどのように見ているか、NEM財団はNEM Labsと競合していないか? というような質問にも回答している。NEM財団は、NEM Labと財団は同じエコシステムの中に存在し互いに繁栄する場所があり、サービスは競合しないという。今後は、プラットフォームでのコラボレーションなどはより統一感をもって行うなど、お互いを強化していく関係を築きたいとしている。その結果、PMCプロジェクトへの貢献度が高まり、Catapultの全体的な迅速な進歩が見込まれるだろうとまとめている。

 その他、「新しい評議会の開催頻度は? 生産的なもの?」「資金調達に失敗した場合はどうなるか?」「XEMの価格をどのように引き上げるか?」など、その質問は多岐にわたっているが、これらについても回答をしているので、POI投票に投票する人、またはNEMについて興味がある人は一度確認をしておくといいだろう。

 POI投票については、既得バランス1万XEM以上を保有する者に投票権が得られるとしている。投票期間中に「NEM Wallet」にサインインし、[サービス]タブの[Voting]項目から[See Polls]をクリックした後、[Vote and See Polls]項目の[Official]タブを開いてからPOI投票を行えるとのこと。

 なお、提案書およびPOI投票については、過去記事「NEM財団が資金援助要請に関する提案書『Funding Proposal 2019』を作成、コミュニティに公開」にて解説を行っているので、そちらも併せて読んでいただきたい。