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米リップル、南米進出に向けブラジルで事業開始

RippleNetの展開に加えて現地大学と協力し学術研究・技術開発に支援を実施

(Image: Shutterstock.com)

米リップル社は6月11日、ブラジルでの事業開始を発表した。南米におけるフィンテック推進の主要国であるブラジルへ展開することで、南米でのRippleのエコシステム構築を目指すという。同社はブラジルにおいて、高速送金ネットワークRippleNetの顧客を10行以上獲得済みだ。金融だけでなく、現地大学と協力し、学術研究や技術開発に対する支援も行っていくことを明らかにしている。

リップルの提供するRippleNetは、同社が開発する分散型台帳技術「xCurrent」、仮想通貨XRPを活用する国際送金システム「xRapid」、外部のシステムからRippleNetへの接続を可能とする「xVia」といったソフトウェアで構成される、国際送金を目的とする決済ネットワークソリューションである。

ブラジルに展開する10を越える金融機関や送金会社がRippleNetの利用を決定している。900万以上の顧客を抱えるブラジル最大の商業銀行サンタンデールブラジル(Santander Brazil)もその一つだ。同国で国際決済サービスを手がけるBeeTech、Banco RendimentoもRippleNetを活用する。

南米地域では国際送金において、決済に平均3日から5日かかり、約6%の決済が失敗する問題があるという。特に少額で大量の取引を行うと余計な費用がかかる。リップルは、RippleNetが持つ高速性・確実性・低コスト・アクセス性という4つの特性を生かすことで、同地域の課題解決を目指すという。

リップルはブラジルへの事業展開において、金融機関へのソリューションの提供だけでなく、学術研究や技術開発の支援も行う。同社は大学ブロックチェーン研究イニシアチブ(University Blockchain Research Initiative:UBRI)を設立し、各国の主要な大学機関におけるブロックチェーン技術やフィンテックの研究等に対して、技術・教育・資金面での支援を行っている。ブラジルでの支援先として、一流大学であるサンパウロ大学やジェトゥリオ・ヴァルガス財団(Fundação Getulio Vargas:FGV)を挙げた。