仮想通貨(暗号資産)ニュース

FSB議長、G20首脳宛ての書簡で仮想通貨リブラへの懸念を表明

国際決済銀行はGAFAなど巨大IT企業の金融サービス参入に警鐘

(Image: Ascannio / Shutterstock.com)

金融安定理事会(FSB)は6月25日、G20各国首脳に向けて書簡を送ったことを明らかにし、その内容を公開した。6月28日から29日開催するG20大阪サミットに先駆け、FSBが世界的な金融の安定を目指して、この1年間継続的に取り組む内容を記している。

同書では「小売決済を目的とした新しいタイプの暗号資産」という表現がある。直接的な表現ではないが、Facebookが発表した仮想通貨Libra(リブラ)を指すものと考えられる。その普及に関して、厳重な規制が必要であることを示した。

FSBは、Libraが広い範囲で使用されることについて、規制当局による綿密な検証によって、高いレベルで規制の必要があるとした。FSBと関係機関は、そのリスクを詳細に検証・監視し、必要に応じて国際的な対応も検討していくと記している。

国際決済銀行(BIS)は、6月23日に発表した年次レポートの中で、Libraに関して懸念を示している。GAFAのような大規模テクノロジー企業による金融への参入は、リスク便益のバランスを崩す可能性があるという。GAFAなどが持つ効率的なビジネスモデルは、これまでより多くの人に金融サービスを届ける可能性を持つ。一方で金融の安定性と消費者保護といった、これまで改善に向けて動いてきた問題を、再び表出させてしまう懸念がある。