仮想通貨(暗号資産)ニュース

2023年には30%のニュース会社が偽情報対策でブロックチェーン

ガートナーが2020年代に先進IT分野で起きる出来事を予測

(Image: Shutterstock.com)

ガートナージャパンは11月14日、IT分野およびユーザーに影響を与える2020年以降に向けた重要な戦略的展望を発表した。2020年代のいつ、何が起きるかという予測を列挙したもので、米ガートナーが10月に発表した文書の邦訳版となる。

ブロックチェーンと仮想通貨関連では、2023年までにニュースや映像の最大30%が真正性担保にブロックチェーンを利用するようになり、2025年までに銀行口座未所持のスマートフォンユーザーの50%にモバイルアクセスの仮想通貨口座が普及するという。そのほか、AIやIoT、DXといった分野で合計10件の予測が列挙されている。

2023年、ニュースの30%がブロックチェーンでフェイクニュース対策

近年、画像や映像の合成技術が進歩したことで、フェイクニュースの判別は難化した。さらに偽情報は、SNS上で散見されるBOTによって容易に拡散できるようになっている。

仮想通貨関連ではその影響が特に顕著だ。米リップルの報告では、Twitter上の情報のうち、Bitcoin関連で49%、Ethereum関連で71%、XRP関連で50%がツイートBOTによる発信だったという。中にはフェイクニュースを拡散するものもあり、それらのBOTは不正な相場操縦を目的に運用されていると見られる。

フェイクニュースは、情報源が明確でない場合が多く、米ニューヨークタイムズとIBMが取り組む「News Provenance Project」は、コンテンツの源を明らかにすることで情報の確かさを保証する。ニュースの写真や映像に対し、撮影場所や時間帯をひも付けてブロックチェーンに記録し、そのルーツを明確にするという。こうした取り組みが拡大し、ガートナーは、2021年までに主要なニュース企業10社以上がブロックチェーンを用いるようになると予測している。

2025年、銀行口座がないスマホユーザー50%に仮想通貨が普及

ガートナーによると、主要なオンライン・マーケットプレースやソーシャル・メディア・プラットフォームは、2020年末までに仮想通貨による決済への対応を開始するという。それらのサービスを利用するために、銀行口座を持たない市民の半数以上が2025年までに仮想通貨口座を持つと予測している。

この影響は、特にサハラ以南のアフリカやアジア太平洋などの成長経済圏で大きいと目され、取引の機会があるという。オンラインでの消費活動が活発化することで、「オンラインショッピング依存症」がWHOにより認定されることも予測される。デジタル・コマース経由の支出が速いペースで増加することを根拠に、金銭的ストレスが拡大し、2024年までに依存症が認定されるという。