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スイス規制当局、Facebookの仮想通貨は決済免許必要

リブラ協会の照会に見解表明

(Image: Cryptographer / Shutterstock.com)

Facebookが計画する仮想通貨Libra(リブラ)に関して、リブラ協会がスイス連邦金融市場監督機構(FINMA)に決済免許を申請したと、ロイターが9月11日に報じた

FINMAも同日、リブラ協会からスイスの法律下でリブラプロジェクトがどう分類されるか照会を受けたことを公表し、スイスの規制をどのように適用するか基準を示した。

FINMAはステーブルコインを、ブロックチェーンベースのトークンに対するアプローチと同じ枠組みで扱うとの前提を紹介し、さらにリブラプロジェクトは金融市場基盤法(FMIA)に基づき、FINMAからの決済免許が必要だとした。

FINMAによると、スイスの決済システムの規制要件は、一般的な国際基準、特に金融市場インフラのための原則(PFMI)の原則に基づくと同時に、スイスの決済システムが自動的にマネーロンダリング防止法の対象となることから、プロジェクトのエコシステム全体で最高かつ国際的なマネーロンダリング防止基準を確保する必要があるという。

FINMIAは、支払いシステムのリスクを高めるすべての追加サービスは、対応する追加要件に従う必要があると説明。リブラプロジェクトで計画されているサービスは、単純な支払いシステムのサービスを明確に超えているため、資本配分や流動性、リスク分散、引当金管理の分野などで追加的な要件が課されるとの見解を示した。銀行法の規定が適用される可能性もあるという。

FINMAは引当金の管理に関する収益とリスクは、ステーブルコインを所有する一般消費者ではなく、リブラ協会が引き受けるべきだと強調した。またコーポレートガバナンスや反マネーロンダリングについては国際的な規制も考慮するよう求めたが、税法や競争法、データ保護法に関してはFINMAの権限外だとした。

FINMAの声明に先立ち、スイス銀行協会は10日、「リブラは銀行業の認可が必要だ」との見解を表明したが、FINMAは「銀行と類似するリスクはある」としながらも、銀行業に当たるとは断定しなかった。