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「リブラに全財産預けられますか?」Facebook責任者の答えは

米国上院の公聴会一問一答。フェイスブックの体制への批判が相次ぐ

(Image: Shutterstock.com)

「Facebookはスキャンダルを繰り返しており、信用ならない」「苦労して稼いだ財産を預けられるほど、人々がFacebookを信用しているという考えは妄想だ」

Facebookが2020年に発行を計画する仮想通貨「Libra(リブラ)」を巡り、米上院銀行住宅都市委員会は16日、公聴会を開いた。Facebookからはブロックチェーン事業トップのDavid Marcus(デービッド・マーカス)氏が出席。議員からは、リブラそのものよりも、膨大な個人情報を抱え込み、情報流出も起こしているFacebookの体制そのものへの厳しい意見が相次いだ。2時間弱に及んだ公聴会のやり取りから、「リブラ」に関する質疑応答を抜粋して紹介する。

クラポ議員(委員長):5月以降、リブラの抱える信用情報と個人データの取り扱いに関心が高まっている。世界銀行のデータによると、まだ銀行口座を持っていない17億人の人々が存在する。不確実性はあるが、Facebookの決済システムの目指すところは称賛に値する。

ブラウン議員:Facebookは非常に危険です。彼らは世界とつながりたいと思っているだけでなく、たくさんのお金を稼ぎたいと考えています。Facebookは私たちの感情を操作できるかどうかをテストしています、そして感情を操作するのは可能であり、ミャンマーの政治にも影響を及ぼすことが分かりました。私たちはFacebookに自分たちの銀行口座にアクセスさせることを許そうとしています。

マーカス氏:安全で簡単にスマートフォンを使ってお金を受け取ることが、リブラの目指すものです。米国がデジタル通貨の革新を主導しなければ、他の国がやるでしょう。

クラポ議員(委員長):暗号通貨のルール整備で米国が主導権を握るべきだということに同意しますか。

マーカス氏:私たちがスイスに拠点を置いたのは、監督を回避するためではありません。スイスが世界貿易機関(WTO)で広く認知されているからです。リブラは今後金融犯罪捜査網(FinCEN)に登録されるでしょう。

ブラウン議員:Facebookは顧客データを悪用してきた歴史があります。人々があなたたちを信用すると思いますか。

マーカス氏:Facebookはリブラプロジェクトに参画している多くの企業の1つにすぎないと考えています。

ブラウン議員:あなたはFacebookだけでも20億人にアクセスできることを、誰よりも知っているはずだ。

ブラウン議員:あなたたちの全ての給料がリブラ経由で支払われると言い切れますか。

マーカス氏:(ブラウン議員の問いにははっきり答えず)リブラは米ドルと競争するものではありません。(ブラウン議員に何度も質問され)自分の全ての資産を全部リブラに預けても構いません。

トゥーミー議員:Facebookはハッキングにどのように対処していますか。

マーカス氏:カリブラ(Calibra)のウォレットが完全な保護と24時間365日のカスタマーサポートを提供することを保証できます。リブラは十分な準備金でサポートします。

マーカス氏:Facebookはまだリブラ・アソシエーションに投資する額を決定していません。

ケネディ議員:Facebookの暗号通貨のリブラを支持します。米国の銀行も素晴らしい。だが、リブラはプライバシーの問題があるとはいえ、米国の大手ハイテク企業と資金力のあるアソシエーションによってサポートされると信じている。

ウォーナー議員:FacebookはWhatsAppとMessengerがサードパーティのウォレットを確実にサポートするために、どのような措置を取りますか。

マーカス氏:WhatsAppとMessengerはサードパーティ製のウォレットをサポートしません。相互運用性のみを有します。

ラウンズ議員:Facebookはカリブラの拠点をスイスに置きました。彼らが提供できるものと米国が提供できないものは何ですか。

マーカス氏:私たちがスイスを選んだのは、責任回避のためではありません(繰り返す)。リブラ・アソシエーションは消費者にアクセスできないため、米国銀行秘密法の適用外だと考えています。

マーカス氏:私たち(Facebook)は現時点でリブラのマネーサプライをコントロールしようと思っていません。リブラ・アソシエーションは100以上のメンバーから構成されますが、理事会は19のメンバーを選出するつもりです。

マーカス氏:リブラは使いやすいツールですが、匿名にすることはないです。また、リブラ・アソシエーションの憲章は策定中で、策定後に発表します。リブラは決して急速に成長することはありません。

クラポ議員(委員長):私たちはFacebookが信頼に足る企業であることを願っていますが、この委員会のメンバーでそう考えている人はほとんどいませんね。